関税と貿易に関する一般協定(かんぜいとぼうえきにかんするいっぱんきょうてい)
General Agreement on Tariffs and Trade(ジェネラル・アグリーメント・オン・タリフス・アンド・トレード)
GATT
関税と貿易に関する一般協定
関税と貿易に関する一般協定(GATT)は、無差別で自由な貿易を目指すための協定で、貿易基準を定め、加盟国間の貿易紛争処理を行いました。本部はスイスのジュネーブにあり、日本は1955年9月にGATTに加盟しましたが、GATTは1995年末に廃止となり、GATTの役割は世界貿易機関(WTO)に引継がれています。
GATTは、1947年のジュネーブ貿易会議で23カ国が調印し、1948年1月に発効しました。当初、国際貿易機構(ITO)が創設される予定でしたが、アメリカ議会および他国の承認を得られなかったため創設にはいたらず、かわりに一般協定という形でGATTが創設されました。GATTは正式な国際機関ではなく、その機能は統制力が弱いものでした。
≪ラウンド≫
GATTでは、世界経済の発展のために、無差別で自由な貿易を行えるよう、関税や輸出入制限などの貿易障害の撤廃を目的としていました。国際貿易問題の交渉は、各ラウンドごとに進められました。
ラウンドとは、加盟国が集まって多角的貿易交渉(貿易問題の検討など)を行う場のことをいいます。GATTでは1947年以降、8回交渉が行われ、第5回以降の交渉をラウンドと呼んでいます。
1960~1961年にはディロン・ラウンド(第5回)、1964~1967年にはケネディ・ラウンド(第6回)、1973~1979年には東京ラウンド(第7回)、1986~1994年にはウルグアイ・ラウンド(第8回)が開かれました。
ウルグアイ・ラウンドでは、貿易に関する交渉に加えて、GATTにかわる機関としてWTO(世界貿易機関)の設立が決まりました。
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 関税と貿易に関する一般協定