流動性のわな(りゅうどうせいのわな)
liquidity trap(リクイディティ・トラップ)
流動性のわな
流動性のわなとは、利子率がゼロ近くまで下落すると投機的需要が無限に大きくなる、という現象をいいます。
流動性のわなは、流動性選好説の重要な性質です。利子率がほとんどゼロ近くまで下落すると、貨幣保有のコスト(もらえたはずの利息)もゼロになります。すると、人々は資産を債券ではなく、すべて貨幣で保有しようとするので、投機的需要が無限に大きくなります。この現象を「流動性のわな」といい、投機的需要曲線やLM曲線のグラフは水平(勾配がゼロ)で表されます。
ここでは、利子率が1%まで下がったところで「流動性のわな」にはまっています。この状態で貨幣供給量を増やしても、投機的需要が増えるだけで、金利水準は低下しません。
このとき、貨幣需要の利子弾力性は無限に大きくなり、取引的動機の貨幣需要は無視できる状態になります。これを「貨幣需要が利子率に完全に弾力的である」といいます。こうした状況に陥っているときには、貨幣供給量を増やして金利を下げる金融政策は無効となります。
(注)説明をやさしくするために、投機的需要曲線を直線で表示しています。なお、直線は、曲線の一種です。)
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