デフレーション
deflation(デフレーション)
デフレーション
デフレーションとは、物価が継続的に下がっていく現象です。略してデフレといいます。
「物価が下落する」とは、1000円で8個しか買えなかったモノが10個買える(価格125円→100円へ)ということです。これは、お金の価値が高くなることです。したがって、デフレは、貨幣価値の上昇を意味しています。
≪デフレの状態≫
デフレは、不景気でモノが売れず、品余りにある状態です。
企業業績が悪化すると、従業員の給与が下がります。リストラや倒産によって失業者が増大します。所得が減った家計は消費を控え、売れ残りを避ける企業は、商品の価格をさらに下げます。こうして物価は下落します。
また、予定していた収入がデフレで落ち込むことにより、借金の負担が重くなります。そのため、デフレは経済活動を縮小させていきます。
もっとも、多少のデフレは、物価下落のため家計にはプラスに働きます。
≪デフレ対策≫
デフレのときには、超過供給を解消させる必要があります。総需要拡大政策には、(1)マネーストック(通貨供給量)を増やす、(2)財政支出を拡大する、(3)減税をして消費を促進する、というような金融政策と財政政策があります。
デフレ(物価の下落)が不況を招き、さらに物価が下落するという現象をデフレ・スパイラルといいます。
≪デフレの種類≫
デフレは、発生要因によって、需要不足によるデフレ、輸入デフレ、資産デフレ、技術競争力低下によるデフレなどに大別できます。
需要不足によるデフレは、所得の低迷や将来の生活不安から消費を控えることから起こるデフレです。
輸入デフレは、海外からの輸入品が安価で大量に流入してくることに起因するデフレです。
資産デフレは、保有する資産価格(地価、株価)が下落したことにより、企業や家計にキャピタルロス(含み損)が発生して、企業の投資意欲や家計の消費が抑制されることから起こるデフレです。
技術競争力低下によるデフレは、技術革新によって、ある企業の商品価格が大きく低下した場合に、技術力が劣る企業が競争に敗れることから発生します。競争に敗れた既存産業の過剰雇用を新しい産業で吸収できないと、失業者が増えて景気は悪化します。
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