総需要曲線(そうじゅようきょくせん)
aggregate demand curve(アグリゲイト・ディマンド・カーブ)
AD曲線
総需要曲線
総需要曲線とは、総需要の動きを表す曲線で、AD曲線ともいいます。総需要曲線は、総需要関数をグラフに描いたものです。
≪45度線分析の総需要曲線≫
総需要曲線は、縦軸に総需要、横軸に国民所得を目盛に持ち、縦軸の切片を「基礎消費α+投資I」とする限界消費性向βの傾きをもつ右上がりの直線です。これは、消費関数のグラフを投資Iだけ上方へシフトさせたものとなります(民間経済モデルの場合)。
民間経済モデルに政府支出(G)を追加した国民経済モデル(閉鎖経済モデル)の場合や、さらに海外との取引(NX)を追加した国際経済モデル(開放経済モデル)の場合でも、政府支出Gや海外取引NXは固定的支出(一定額)として扱うので、総需要曲線の形状は同じです。縦軸の切片は、「基礎消費α+投資I+政府支出G」、または「基礎消費α+投資I+政府支出G+海外取引NX」となります。
※海外との取引(NX)は、純輸出(輸出X-輸入M)に書き換えられます。
(注)説明をやさしくするために、図には直線を表示しています。なお、直線は、曲線の一種です。
≪AD-AS分析の総需要曲線≫
AD曲線(総需要曲線)は、財市場と貨幣市場を均衡させる「物価水準と総需要」の組み合わせをグラフに描いたものです。ADとは、総需要(Aggregate Demand)のことで、総支出を意味します。
AD曲線は、縦軸に物価、横軸に総需要を目盛にとったグラフで、その傾きは、「物価と総支出」の相関関係を表す右下がりの曲線になります。
◆財政政策と金融政策の効果
財政政策によって政府支出を増加させると、利子率上昇と物価上昇を伴って、国民所得が増加します。このとき、AD曲線は右にシフトします。
一方、金融政策によって貨幣供給量を増加させると、利子率低下と物価上昇を伴って、国民所得が増加します。このとき、AD曲線は右にシフトします。
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