数量調整(すうりょうちょうせい)
quantity adjustment(クォンティティ・アジャストメント)
数量調整
数量調整とは、需要と供給の差が生産物の数量で調整されることをいいます。
価格メカニズムが働かない市場では、生産物がどれだけ売れるかは、需要の大きさで決まります。
たとえば、完全雇用水準で超過供給(総供給>総需要)の状態にあるとき、価格メカニズムが働かない世界では、総需要は増えないため、超過供給の状態が続いて商品が売れ残ります。やむなく企業は、総供給(生産量)を減らします。数量が減ることで、経済は均衡に向かいます。価格メカニズムが働かないと、総需要の大きさが国民所得の水準を決定します。
この「需要の大きさに合わせて総供給水準である総生産量(国民所得)が調整される」という理論を有効需要の原理といいます。
≪ケインズ学派の理論≫
ケインズ学派は、需給の不均衡は数量で調整されると考えました。超過供給の場合には、数量が減少することで、供給が減って均衡します。
これが「有効需要の原理」です。過剰な設備や失業が発生する超過供給の経済を前提にしています。ケインズ学派の考え方は、短期の経済モデルにあてはまります。
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