産業連関表(さんぎょうれんかんひょう)
interindustry-relations table(インターインダストリ・リレーションズ・テイブル)
産業連関表
産業連関表とは、国民経済計算(SNA)の統計の1つで、「ある一定期間に、財やサービスがどのように産業間を循環していくか」を集約した表をいいます。
産業連関表は米国の経済学者レオンチェフにより考案されたもので、投入・産出表、IO表、レオンチェフ表ともいいます。
国民経済計算(SNA)では、国民所得勘定、産業連関表、資金循環表、国民貸借対照表、国際収支表という5つの体系から、一国の経済におけるフローやストックを捉えます。
≪産業連関表の捉え方≫
産業連関表では、生産物の流れを企業の「販売」と「仕入」という2面から表形式で捉えます。
◆販売(行方向)
表を横の行方向にみると、「生産物をどこへどれだけ販売したか」、また「その生産物がどのように使われているか」という商品の販路(販売先)の構成がわかります。
行方向は、アウトプット(output)を表します。アウトプットとは、生産要素を投入して生産された財・サービスのことで、産出物、産出量ともいいます。
◆仕入(列方向)
表を縦の列方向にみると、「生産のために原材料をどの部門からどれだけ購入したか」という費用の構成がわかります。ここでは、付加価値がいくらかわかるようになっています。付加価値の内訳は、賃金と利潤です。
列方向は、インプット(input)を表します。インプットとは、生産に必要な生産要素のことで、投入物、投入量ともいいます。
≪産出額の合計(行方向)=投入額の合計(列方向)≫
産業連関表の横の行方向からみた産出額の合計と、縦の列方向からみた投入額の合計はすべて一致します。
たとえば、農業と工業の2産業からなる産業連関表があるとします。
行方向にみると、農業部門でつくりだした製品は、農業部門自身に30販売され、工業部門に60販売されて、最終需要として10が需要されています。 行方向の生産額には、「中間生産物(農業30、工業60)+最終需要10=生産額100」という関係があります。ここでは、最終需要の合計(農業部門10+工業部門50)が国内所得60となります。
一方、列方向にみると、農業部門の生産物の費用の内訳として、農業部門自身から30を仕入れ、工業部門から50を仕入れ、付加価値として20を上乗せしたことが示されています。列方向の生産額には、「農業30+工業50+付加価値20=生産額100」という関係があります。ここでは、付加価値の合計(農業部門の付加価値20+工業部門の付加価値40)が国内総生産60となります。
このように、最終需要の合計額(60)と付加価値の合計額(60)は必ず一致し、国内総生産(60)を表します。
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