財政の崖(ざいせいのがけ)
フィスカルクリフ
fiscal cliff(フィスカルクリフ)
財政の崖(フィスカルクリフ)
財政の崖(フィスカルクリフ)とは、2013年以降、米国が直面する経済の下振れリスクを“米国経済が崖の上に立っている”と喩えたものです。
【なぜこのような事態が警戒されているの?】
米国では、2013年以降、「実質的な増税」と「強制的な歳出削減」が予定されており、急激な財政の引締めが需要を大きく抑える可能性があるからです。
【米国経済はどうなるの?】
何も対策をとらなければ、米国経済はマイナス成長となり、景気後退に陥る危険性があります。
しかし、米国は2012年11月に大統領選挙を控え、与野党が対立しています。政府と議会が対策に乗り出さず、大きな進展が見られないため、FRBに期待が寄せられています。
【FRBはどのような対策をとっているの?】
2012年6月21日、FRB(米連邦準備理事会)は、FOMC(連邦公開市場委員会)で、6月末に終了予定だったオペレーションツイストを2012 年末まで延長することを決めました。
一方、QE3(量的緩和第3弾)の発動は見送られました。
ロイターによると、QE3が発動されない理由として、以下の3つをあげています。
①QE1、QE2以上の効果はない
②時間をかければ、アメリカ経済は自力で回復する可能性もある
③FRBは金融政策の観点からは充分やってきたので、他の選択肢に焦点を絞るべきだ
今後の動向が注目されています。
【「財際の崖」を回避】
2013年1月1日、「財政の崖」を回避するための関連法案が米上院、下院ともに賛成多数で可決され、世界に大きな懸念を与えていた「財政の崖」問題は、回避されました。
12月31日~1月4日にかけての世界の株式市場では、主要20カ国・地域のうち、この間休場だったロシアを除く19市場で株価指数が上昇した。(2013/1/5 日本経済新聞)
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 財政の崖(フィスカルクリフ)