頓挫した欧州防衛共同体と欧州政治共同体
欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)の設立が成功すると、欧州防衛共同体(EDC)と欧州政治共同体(EPC)を創設する動きが起こりました。
しかし、フランス国民議会が批准を拒否したため、どちらも実現には至りませんでした。
【欧州防衛共同体】
欧州防衛共同体(EDC)とは、1950年10月に、フランスの首相ルネ・プレヴァンが提唱した、“単一の欧州軍を設立し、東側諸国の脅威に対し、西欧諸国が共同で防衛にあたる”という構想です(この構想を「プレヴァン・プラン」といいます)。
当時、西ドイツの再軍備には周辺諸国から不安の声があがっていました。そこで、単一の欧州軍に西ドイツを参加させることで、西ドイツに国防主権を与えず(軍隊をつくらせない)に、西ドイツを防衛するというものでした。
プレヴァン・プランは、アメリカの支持を得て、1952年5月27日に、フランス、西ドイツ、イタリア、ベネルクス3カ国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の6カ国が欧州防衛共同体を創設する条約に調印しました。
しかし、フランス国民議会が批准を拒否したため、条約は未発効に終わりました。
【欧州政治共同体】
欧州政治共同体(EPC)とは、1952年に提唱された、欧州内の政治統合・政治協力を図るという構想です。
しかし、1954年にフランス国民議会が批准を拒否したため、構想は断念されました。
【批准とは…?】
批准(ひじゅん)とは、国際間で取り決めた条約や協定などについて、当該国が承認(同意)することです。
国の代表者が署名をしても、当該国の国会や議会で承認を得られなければ、その条約は発効しません。
スポンサーリンク
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 頓挫した欧州防衛共同体と欧州政治共同体