信用リスク(しんようりすく)
credit risk(クレジット・リスク)
債務不履行リスク(さいむふりこうりすく)
貸倒れリスク(かしだおれりすく)
default risk(デフォルト・リスク)

信用リスク

信用リスク(クレジットリスク)とは、貸したお金(社債や貸付債権の元本や利息など)を回収できなくなる可能性(不確実性)のことで、デフォルト(債務不履行)リスク、貸倒れリスクともいいます。

 

【格付けで信用リスクを回避】

 

信用リスクは、お金を貸した相手(債券の投資先や貸付先)が、元本や利息をきちんと返してくれるかどうか、という信用力に関するリスクです。

 

相手先の経営状態が悪くなると、社債や貸付債権の元利金の返済が約束通り行われず、損失が発生してしまう可能性があります。
そこで、信用リスクを回避するために、信用力に基づいた格付けを利用します。

 

信用リスク

 

格付けは、信用リスクを判断するための指標で、スタンダード・アンド・プアーズなどの格付け機関が発表しています。

 

格付けは、「AAA(トリプルエー)」などの記号で、各企業の信用リスクの安全度を示しています。

 

【信用リスクが高いと…?】

 

信用リスクの高い企業の格付けは低くなります。信用力が低いため、高利回りで債券を発行しないと、投資家は購入してくれません。

 

また、金融機関も高金利でしかお金を貸してくれないため、資金調達が困難になります。

 

信用リスクによる損害を回避するため、貸付先や投資先の信用リスクをチェックしたり、取引を1箇所に集中させずに分散させるなど、適切な対応をとることが重要です。
 ※集中(concentration:コンセントレーション)
 ※分散(diversification:ディバーシフィケーション)

 

 

 

【カントリーリスク】

 

国の信用リスクのことをカントリーリスクといいます。

 

カントリーリスクとは、海外投融資や貿易取引を行う際、相手国の安定度(政治や経済など)の変化によって、回収不能となる危険の度合いのことです。

 

たとえば、取引先企業の経営状態に問題がなくても、相手国の諸事情で、資金を回収できなくなってしまう可能性があります。

 

信用リスク

 

 

 

【ソブリンリスク】

 

ソブリンリスクとは、カントリーリスクの1つで、国(政府や政府関係機関など)に対する投融資が回収不能となる危険の度合いのことです。

 

たとえば、ある投資家がA国の国債を購入・保有していても、A国に諸事情(財政悪化に陥るなど)が生じると、資金を回収できなくなってしまう可能性があります。

 

信用リスク

 

国の信用リスク(国が国債を償還できるか)を判断する指標をソブリン格付けといいます。スタンダード・アンド・プアーズなどの格付け機関が発表しています。

 

財政悪化や政情不安などによって、国の債務返済能力が懸念されると、ソブリン格付けが下がり、ソブリンリスクは高まります。

 

ソブリンリスクが高い(国の信用力が低い)と、高利回りで国債を発行しなければ、投資家は購入してくれません。また、金融機関も高金利でしかお金を貸してくれないため、資金調達はさらに困難になってしまいます。

 

2009年から2010年のギリシャ危機では、「ギリシャの財政が破綻し、国債が償還されなくなるのではないか」という不安が世界に広がり、ソブリンリスクが高まりました。

 

 

 

【カントリーリスクとソブリンリスクの違い】

 

カントリーリスクは、投資先(借り手)が民間であっても国であっても、国の諸事情によって債務不履行となってしまう可能性のことです。

 

一方、ソブリンリスクは、投資先(借り手)が国(政府や政府系機関)である場合を指します。

 

信用リスク

 

※ここでは、カントリーリスクとソブリンリスクを上記のように説明しましたが、カントリーリスクの定義には諸説があります。最近では、カントリーリスクとソブリンリスクを同義と捉えることも多いようです。

 

 

 

信用リスク

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参考ファイル

 
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