新型オペレーション(しんがたおぺれーしょん)
固定金利オペ(こていきんりおぺ)
固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション(こていきんりほうしき・きょうつうたんぽしきんきょうきゅうおぺれーしょん)
The Fixed-Rate Funds-Supplying Operation against Pooled Collateral(ザ・フィックスト-レート・ファンド-サプライング・オペレーション・アゲンスト・プールド・コラタラル)
新型オペレーション
新型オペレーション(公開市場操作)とは、日銀が2009年12月に導入した新しい資金供給方式のことです。
新型オペには、次のような特徴があります。
★民間金融機関に、固定金利(政策金利と同じ0.1%)で、期間物(3ヶ月)の資金を貸し出す(これを固定金利方式といいます)。
★国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)、証貸債権など全ての日銀適格担保を裏づけに、資金を貸し出す(これを共通担保資金供給オペレーションといいます)。
このような特徴から、新型オペは正式名を固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション(略して固定金利オペ)といいます。
※政策金利とは、無担保コールレート翌日物のことです。
※証貸債権とは、金銭消費貸借契約証書に基づく貸付債権のことです。
新型オペ導入のいきさつは何ですか
2009年11月25日のドバイ・ショックで、株式相場が急落し、円高が加速したため、市場に資金を供給する金融緩和策を導入しました。
どうして新しい方式を導入したのですか
まず、既存の手段である「長期国債買い入れ」の増額を検討したのですが、すでに年間21.6兆円の買い入れを行っていて、これ以上増額できないと判断したためです。
なぜ固定金利(0.1%)なのですか
固定金利(政策金利と同じ0.1%)で資金供給することで、民間金融機関に安定した低金利の資金が潤沢に流れます。これには、長めの金利を押し下げる効果があります。金利低下は銀行貸付金利に波及し、企業や家計がお金を借りやすくなるため、経済を活性化させることができます。
しかし、企業や家計の資金需要は低調で、銀行は余剰資金で国債を購入しています。供給した資金が家計や企業に回らず、経済の活性化にはつながらないとする見方もあります。
固定金利は、0.1%より下がらないのですか
政策金利は、すでに0.1%に下げられています。この金利水準は、デリバリーコスト(手数料)を考えると、実質ゼロ金利を意味します。したがって、これ以上の金利引き下げには、金融緩和の効果はないと考えられます。
新型オペに、どのような効果が期待されますか
資金供給により長めの金利が下がると、日米金利差が拡大し、円高を抑えることができます。
しかし、日本の2年債利回りは0.125%まで下がっていて、金利が低下する余地は乏しいのではないか、という見方もあります。
新型オペ(金融緩和策)を追加
2010年8月30日、日銀は、米経済の減速と急激な円高を受けて、追加の金融緩和策に踏み切りました。
これまでの新型オペ(年0.1%の固定金利で、期間3ヶ月)の供給額(現行20兆円)に加えて、新たな新型オペ(年0.1%の固定金利で、期間6ヶ月)の資金供給を10兆円増額し、合計で30兆円としました。
追加緩和で、長めの金利を押し下げ、円高を抑える効果が期待されます。
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