マクロ経済学(まくろけいざいがく)
macroeconomics(マクロエコノミクス)

マクロ経済学

マクロ経済学とは?

 

マクロ経済学とは、総生産の大きさを基準にして、市場経済体制における均衡について考える学問です。

 

総生産量の大きさから、市場経済の最適性を考える研究のことをマクロ分析といいます。

 

一方、総需要と総供給の相互関係から、市場経済の最適性を考える研究をミクロ分析といいます。

 

 

 

総生産=総所得

 

総生産とは、国内総生産(GDP)の略称で、一国の最終生産物の総取引額のことです。総生産は、財市場における均衡値として捉えられます。

 

一方、総所得とは、国内総所得(GDI)の略称で、総生産の売上金のことです。総所得は、労働市場における均衡値として捉えられます。

 

総所得は、雇用量の価値を金額で示したもので、労働市場を通じて家計に分配される金額のことです。したがって、総生産と総所得は同じものです。

 

 

 

古典学派とケインズ学派

 

マクロ経済学には、大きくわけて2つの学説があります。アダム・スミスの理論を継承する古典学派と、著名なイギリスの経済学者、ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)が創始したケインズ学派です。

 

古典学派は、総供給の水準で、総生産(GDP)が決まると考えます。

 

一方、ケインズ学派は、総需要の水準で、総生産(GDP)が決まると考えます。

 

マクロ経済学

 

 

 

ケインズの疑問

 

ケインズは、アダム・スミスが提唱するミクロ理論に疑問を持ちました。

 

ミクロ理論では「市場は均衡するので、失業は起こらない」と考えるのに対して、現実の社会では失業が発生し、多くの人々が貧困に苦しんでいたからです。

 

 

 

ケインズの『一般理論』

 

ケインズは、失業が発生する市場経済の仕組みを説明しようと試み、1936年に『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表しました。

 

『一般理論』におけるケインズの考えは、「総所得の水準が過少雇用(失業発生)である場合に、総生産量は過少雇用総生産(量)になる」というものです。

 

ケインズは「失業が発生する」場合の総生産量の水準は、過少雇用総生産量に留まると分析し、「需要が総生産を決定する」という所得決定理論を発表しました。この理論のことを「有効需要の原理」といいます。

 

(ここでの「均衡」という用語は、「取引成立」という意味で使っています。総需要水準での均衡は最適(な状態)ではありません。)

 

 

 

ミクロ理論では完全雇用

 

比較のために、ミクロ理論をマクロ化(セイの販路法則を使って変換)すると、総生産量の水準は完全雇用総生産となり、労働市場では完全雇用が実現していると考えます。失業は発生しません。

 

セイの販路法則とは、「供給が総生産を決定する」という学説です。

 

マクロ経済学

 

 

 

 参考 : マクロ経済学(English ver.)

 

 

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参考ファイル

 
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