ケインズ革命(けいんずかくめい)
Keynesian revolution(ケインジアン・レボリューション)
ケインズ革命
ケインズ革命とは?
ケインズ革命とは、イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズ(※1)の理論に対する呼び方です。
米国の経済学者ローレンス・クライン(※2)が1947年に発表した著書『ケインズ革命』により広まりました。
なぜケインズ革命と呼ばれるようになったの?
1929年の世界大恐慌により、失業者が町に溢れかえりました。当時、イギリスの経済理論の主流は、古典派のミクロ理論でした。ミクロ理論は、アダム・スミスが提唱する均衡理論で、失業の発生は想定されていませんでした。
ミクロ理論に疑問を持ったケインズは、1936年に著書『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表しました。
ケインズは、古典派の主張する均衡理論に対して、過少雇用均衡を主張しました。 それは、政府が財政政策や金融政策を行い需要を管理すれば、完全雇用が実現できる、すなわち失業が解消できるというものです。ケインズは、失業問題に対する解決策を見出したのです。
ケインズの理論は、当時主流だったミクロ理論に対して、革命的な内容でした。この理論はマクロ理論と呼ばれ、ケインズはマクロ経済学の創始者として、その名を世界に広く知られるようになりました。
(※1)ジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes 1883-1946)は、イギリスの経済学者。マクロ経済学の創始者として知られる。著書は、『確率論』(1921年)、『貨幣改革論』(1923年)、『貨幣論』(1930年)、『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936年)などがある。
(※2)ローレンス・ロバート・クライン(Lawrence Robert Klein 1920-2013)は、米国の経済学者。1980年にノーベル経済学賞を受賞。著書は、『ケインズ革命』(1947年)、『アメリカ合衆国の経済変動』(1950年)、『計量経済学』(1953年)、『計量経済学入門』(1962年)などがある。
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