5G(ゴジー、ファイブジー)
第5世代移動通信システム(だいごせだいいどうつうしんシステム)
5th Generation / fifth generation(フィフス・ジェネレーション)
5G(第5世代移動通信システム)
「5G」って何?
「5G」とは、次世代の高速無線通信規格のことです。5世代の移動通信システム(5th Generation)を略して、「5G」と呼ばれています。
日本では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の実用化を目指しています。
※「G」とは、モバイル通信の規格のことです。英語の「Generation(ジェネレーション:世代)」の頭文字をとって、「G」で表されます。
今は、何Gなの?
2018年9月現在、日本では「4G(4世代の移動通信システム)」が主流となっています。
「4G」は、ITU(国際電気通信連合)が定めた国際基準“IMT-Advanced規格”に準拠した移動通信システムです。
ちなみに、移動通信システムは、下表のように、「1G」から現在の「4G」、そして「5G」へ向けて、進化しています。
G(世代)の交代は、ほぼ10年ごとに行われています。1980年代に登場した携帯電話は、技術革新に伴い、目覚ましい進歩を続けています。
「5G」になると、どう変わるの?
「5G」になると、通信速度が超高速になります。
4G(LTE-Advanced)は、3.5ギガヘルツ((GHz)前後の周波数帯を使っています。この周波数帯を高くするほど、通信速度(1秒間に何ビット転送できるか)が速くなり、通信容量を大きくできます。
5Gでは、28ギガヘルツ((GHz)あたりの周波数帯を使用する予定です。そのため、通信速度は4G(LTE-Advanced)の10倍の速さになると言われています。これは、3.9G(4G(LTE))から比べると、100倍に相当する速さです。
※1 Mbps(メガ・ビット毎秒)=0.001 Gbps(ギガ・ビット毎秒)
※2010年12月に、ITU(国際電気通信連合)が3.5G以上を4Gと呼ぶことを認めたため、3.9G(LTE)も4Gと呼ばれるようになりました。一方で、正式な4Gを4G(LTE-Advanced)、3.9Gを4G(LTE)として、区別することもあります。
他にも、多数同時接続(基地局あたりの機器数が増える)、超低遅延(データ送信から受信までが速い)など、目覚ましい機能の向上が見込まれます。
経済効果はどれくらい?
5Gでは、IoT(モノがネットでつながる技術)やAI(人工知能)技術を生かした様々なサービスが実現可能になります。例えば、自動運転車やバーチャルリアリティ(没入型デジタル環境)を使った遠隔医療サービスなどの普及が考えられます。
5Gの機能は、さまざまな分野での活用が期待されています。総務省では、新たなモバイルサービス(5G、ITS(高度道路交通システム)、ICT(情報通信技術)等)による、各分野の経済効果を次のように試算し、HPに掲載しています。
参考:総務省HP(電波政策2020懇談会 サービスワーキンググループ モバイルサービスタスクフォース(第7回))
米中が覇権争い
「5G」の国際標準規格をめぐり、米国勢(クアルコム、インテル)と中国勢(ファーウェイ、ZTE)の間で覇権争いが激化しています。
「5G」の技術は、経済面のみならず、国防面にも大きな影響を与えます。米政府は、中国が5Gの主導権を獲得した場合、世界各国は中国に監視される可能性があるとして、警戒を強めています。
※2017年1月、通信大手クアルコムは、5Gの商用利用によって、2035年までに12兆3000億ドルの経済効果が見込まれるとの調査結果を発表しています。
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