索引【しし】
支出(ししゅつ)
expenditure(エクスペンディチャー)
●家計がモノ(財)を購入すること。
市場
(しじょう)
●売り手(供給)と買い手(需要)が出会って、交換取引が行われる場のこと。通常は、不特定多数の者が取引に参加している場のことを指す。
●具体的な建物や場所が実在する「具体的市場」と、経済理論を説明するために想定した、実在しない「抽象的市場」がある。
●取引される対象によって、「財市場」や「労働市場」などと呼ばれる。
市場介入(しじょうかいにゅう)
market intervention(マーケット・インターベンション)
●急激な為替相場の変動による悪影響を抑えるために、日本銀行が外国為替の売買を行う異例の政策のこと。為替介入、外国為替平衡操作(為替平衡操作、平衡操作)、日銀介入ともいう。
市場価格
(しじょうかかく)
●市場で商品が取引される価格のこと。
●市場に参加するたくさんの売り手と買い手が合意する「商品の交換比率」。市場参加者が決めた財の価値をあらわす。
●市場メカニズムが働くと、市場価格と均衡価格は等しくなり、生産者と消費者の双方が満足する取引が成立する。
市場価格表示(しじょうかかくひょうじ)
at market price(アト・マーケット・プライス)
●市場での取引価格で表示した、という意味。
市場価格表示の国内所得(しじょうかかくひょうじのこくないしょとく)
national income at market price(ナショナル・インカム・アト・マーケット・プライス)
●国内純生産(NDP)のこと。
市場機構:市場メカニズムの同義語
(しじょうきこう:しじょうめかにずむのどうぎご)
●価格調整により市場取引を成立させるしくみのこと。市場のしくみに着目した用語。
●市場メカニズム(マーケット・メカニズム market mechanism)のマーケット(market)は「市場」、メカニズム(mechanism)は「機構」と訳す。
●したがって、市場メカニズム=マーケット・メカニズム=市場機構 となり、これらはすべて同義語。
市場均衡:パレート最適の定義
(しじょうきんこう:ぱれーとさいてきのていぎ)
●パレート最適の定義を市場経済にあてはめてみると、最適とは「市場均衡」のことを指す。
●市場均衡とは、需要と供給が一致して取引が成立することに加えて、市況が安定している状態のこと。
●つまり、モノが完売していて、品不足も品余りもない状態のことをいう。
●市場均衡は、生産物はすべて売れるという「セイの法則」ともつながっている。
市場経済
(しじょうけいざい)
●市場を通じて、総所得(GDI)を国民に平等に分配するしくみのこと。分配された所得が需要の原資となる。
●財を分配する財市場と、所得を分配する労働市場で構成される。
●政府の関与が小さい「小さな政府」を目指す。
市場経済体制
(しじょうけいざいたいせい)
●「誰が何を作るのか、どう分配するのか」という資源配分の意思決定を、市場メカニズムを通じて民間(各個人)が行う経済体制のこと。
●市場経済では、政府の関与が小さい「小さな政府」を目指す。
●資本主義における市場経済の体制のことを「資本主義市場経済体制」という。
市場システム
(しじょうしすてむ)
●市場経済体制によって資源を配分するしくみのこと。
●市場における価格の働きや制度、しくみなどを広範に捉えるときの用語。
●価格システム(価格によって資源を配分するしくみ)と、概ね同じ意味。
市場集中義務(しじょうしゅうちゅうぎむ)
market concentration obligation(マーケット・コンセントレイション・オブリゲーション)
●証券会社が、取引を取引所で行わなければならない制度(廃止)。市場集中制度ともいう。
市場集中制度(しじょうしゅうちゅうせいど)
market concentration institution(マーケット・コンセントレイション・インスティテュ-ション)
●証券会社が、取引を取引所で行わなければならない制度(廃止)。市場集中義務ともいう。
市場生産
(しじょうせいさん)
●市場の需要を予測して、注文が来ると見込んで、あらかじめ生産する方式。「見込み生産」ともいう。
●不特定多数の購入者を想定し、製品の仕様・形状・数量・価格などは生産者が決める。
●見込み生産を行う産業を「市況産業」という。
●一方、企業(顧客)の注文を受けてから生産する方式を「受注生産」という。
市場性証券(米国)(しじょうせいしょうけん)
marketable securities(マーケタブル・セキュリティーズ)
●市場で取引できる財務省証券のこと。
市場取引
(しじょうとりひき)
●すべての市場参加者(売り手と買い手)の意向が一致する「均衡価格」で成立する売買契約のこと。
●総需要量と総供給量が一致するところに決まる売買契約のこと。(取引成立→総需要=総供給)
市場の失敗
(しじょうのしっぱい)
●資本主義において、市場メカニズムがうまく働かない場合に、最適な資源配分に失敗すること。
●市場メカニズムの限界から、貧富の差が生まれたり、公平な資源配分がなされないなどの問題が生じること。
市場の分析:ケインズモデル
(しじょうのぶんせき:けいんずもでる)
●ケインズモデルでは、「貨幣が財市場や労働市場の活動と密接に関連している」と考えるため、財市場、労働市場、貨幣市場の3つの市場を分析する。
●一方、新古典学派は、「貨幣は財市場の均衡(国民所得の決定)に影響を与えない」と考えるため、財市場、労働市場の2つの市場を分析する。
市場の分析:新古典学派
(しじょうのぶんせき:しんこてんがくは)
●新古典派モデルでは、財市場、労働市場の2つの市場を分析する。
●新古典学派は、「貨幣は財市場の均衡(国民所得の決定)に影響を与えない」と考えるため、貨幣市場の分析は行わない。
●一方、ケインズモデルでは、「貨幣が財市場や労働市場の活動と密接に関連している」と考えるため、財市場、労働市場、貨幣市場の3つの市場を分析する。
市場分断仮説(しじょうぶんだんかせつ)
segmented market hypothesis(セグメンティド・マーケット・ハイポセシス)
●イールドカーブの理論(短期金利と長期金利は、別々の市場で、各期間の金利に対する資金需給により決定)。
市場メカニズム
(しじょうめかにずむ)
●商品の価格が変化することで、需要と供給が等しくなるように調整されるしくみのこと。
●市場メカニズムが働くと、市場は好ましい状態(均衡状態)に導かれ、最適な資源配分が実現できる。
●「価格メカニズム」ともいう。
【参考】市場 市場メカニズム 価格メカニズムの同義語
市場メカニズム:アダム・スミスの理論
(しじょうめかにずむ:あだむすみすのりろん)
●『国富論』におけるアダム・スミスの考えは、「個人が自らの効用や利益を最大化させるように行動するとき、市場では「見えざる手」の力が働いて最適な資源配分が行われ、社会(一国全体)の総効用(満足度)は最大化される」というもの。
●見えざる手の働きのことを「市場メカニズム」という。
●この学説は、ミクロ経済学の主要理論となった。これを「均衡理論」という。
市場メカニズムが働く
(しじょうめかにずむがはたらく)
●市場メカニズムが働く市場では、企業は生産物をすべて売ることができる。なぜなら、生産物が売れ残りそうになると、ただちに価格が下がって、買い手(需要)が現われるため。この「生産物はすべて売れる」という理論を「セイの法則」という。
●新古典学派は、市場では市場メカニズムが働くため、需給の不均衡は価格で調整されると考えた。これを「価格調整」という。
●超過供給の場合には、価格が下落することで、需要が増えて均衡する。逆に、超過需要の場合には、価格が上昇することで、需要が減って均衡する。
●市場メカニズムが働くと、総供給の大きさが国民所得の水準を決定する。
市場メカニズムが働かない
(しじょうめかにずむがはたらかない)
●ケインズ学派は、「市場では、市場メカニズムが働かない」として、需給の不均衡は数量で調整されると考えた。これを「数量調整」という。
●超過供給の場合には、数量が減少することで、供給が減って均衡する。
●生産物がどれだけ売れるかは、需要の大きさで決まる。この「総需要に合わせるように総供給が調整される」という理論を「有効需要の原理」という。
●市場メカニズムが働かない市場では、総需要の大きさが国民所得の水準を決定する。
市場メカニズムと国民所得の水準
(しじょうめかにずむとこくみんしょとくのすいじゅん)
●市場メカニズムが働く場合、総供給の大きさが国民所得の水準を決定する。この理論は、「生産物はすべて売れる」という新古典学派の「セイの法則」で説明される。
●一方、市場メカニズムが働かない場合、総需要の大きさが国民所得の水準を決定する。この理論は、「需要の大きさに合わせて、総供給水準である総生産量(国民所得)が調整される」というケインズ学派の「有効需要の原理」で説明される。
市場メカニズムの同義語
(しじょうめかにずむのどうぎご)
●価格調整により市場取引を成立させるしくみのこと。市場のしくみに着目した用語。
●市場メカニズム(マーケット・メカニズム market mechanism)のマーケット(market)は「市場」、メカニズム(mechanism)は「機構」と訳す。
●したがって、市場メカニズム=マーケット・メカニズム=市場機構 となり、これらはすべて同義語。
市場リスク(しじょうりすく)
market risk(マーケット・リスク)
●市場価格(金利・株価・為替など)の下落によって、保有資産に損失が生じる可能性(不確実性)。マーケット・リスクともいう。
市場レート(しじょうれーと)
market rate(マーケット・レート)
●銀行間相場のこと。マーケット・レートともいう。
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