プレミアム
premium(プレミアム)
プレミアム価格のグラフ
プレミアム価格=本質的価値+時間価値
プレミアム価格は、本質的価値と時間価値で構成されています。この関係をグラフで確かめてみましょう。
この青色の曲線は、商品の市場価格を横軸に、プレミアム価格を縦軸にとり、行使価格100円の場合の各市場価格ごとのプレミアムをグラフにしたものです。プレミアムは、縦軸の高さで表わされています。満期前のプレミアムのグラフは、こうした曲線で表わされます。このプレミアム曲線は、満期日が近づくにつれて緑色の直線に近づいていきます。満期日には、プレミアムのグラフは、緑色の直線となります。
満期日には、プレミアム曲線は、2本の直線(水平線と斜め45度の直線)に置き換わります。これは、市場価格が行使価格100円より安い場合には、オプションが放棄されて損益がゼロとなるからです。これをグラフで見ると、水平線となります。また、市場価格が行使価格より高い場合には、オプションが行使されるため、市場価格と行使価格の差額がプレミアム価格となります。この差額は、市場価格が1円高くなるごとに1円ずつ増加する関係を持っています。これをグラフにすると、右上がり斜め45度の直線となります。
◆OTMのオプション
行使価格100円、市場価格90円のプレミアムは、1円になっています。このオプションは、OTMの状態なので、プレミアムは時間価値だけの価格となります。
◆ATMのオプション
行使価格100円、市場価格100円のプレミアムは、3円になっています。このオプションは、ATMの状態なので、プレミアムは時間価値だけの価格となります。
ATMのオプションは、OTMのオプションより行使される可能性が大きいため、ATMの時間価値は、OTMの時間価値より高くなります。
◆ITMのオプション
行使価格100円、市場価格110円のプレミアムは、11円になっています。(グラフ上の赤い点)このオプションは、ITMの状態なので、プレミアムは、本質的価値10円(110円-100円)と時間価値1円を足し合わせた価格となります。
OTM、ATM、ITMの時間価値を比べてみると、ATMの時間価値が一番大きくなっています。グラフからも、時間価値はATMの時が一番高く、OTMの方向、またはITMの方向に進むにつれ、少しずつ安くなっているのがわかります。
行使価格が市場価格から離れたところ(OTM、ITM)にある場合、市場価格がOTM、ITMにある行使価格まで変動しないと、利益は得られません。したがって、ATMに比べて利益の得られるチャンスは小さくなります。
ITMのオプションは、ATMのオプションより時間価値が大きくなると思いがちですが、実際は、OTMのオプションと同様に小さくなっていきます。これは、ITMのオプションがさらに利益を生み出す確率がだんだん小さくなるためで、時間価値も小さくなるからです。
グラフを例にあげると、行使価格100円(ATM)ではプレミアムは3円ですが、行使価格90円、110円ではそれぞれ1円となります。ただし、行使価格110円(ITM)では、本質的価値10円が加わり、プレミアム総額は11円となります。
本質的価値は、オプションを現時点で行使した場合の価値で、オプションが本来持っている価値という意味ではありません。本質的価値は、市場価格が動くことで変化します。現時点で10円の本質的価値を持っているオプションも、満期日にOTMになっていれば、本質的価値はゼロとなります。
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