よくわかる!金融用語辞典 【証券税制改正(平成13年度税制改正大綱)】

証券税制改正(平成13年度税制改正大綱)

証券税制改正(しょうけんぜいせいかいせい)
revise the securities taxation system(リバイズ・ザ・セキュリティーズ・タクセイション・システム)

証券税制改正(平成13年度税制改正大綱)

申告分離課税の見直し、長期保有上場株式に関する特例の創設、 緊急投資優遇措置の導入
2001(平成13)年11月30日施行

 

個人投資家を株式市場に呼び込むことを目的に、「2001(平成13)年度税制改正大綱」で株式譲渡益に関する課税方法が見直され、2001年11月30日に施行されました。

 

主な内容は、申告分離課税の見直し、長期保有上場株式に関する特例の創設、緊急投資優遇措置の導入です。

 

≪改正のポイント≫

 

証券税制改正(平成13年度税制改正大綱)

 

≪申告分離課税の見直し≫

 

源泉分離課税は廃止、申告分離課税に一本化へ

 

源泉分離課税は2002(平成14)年12月31日に廃止され、2003(平成15)年1月1日から申告分離課税に一本化されます。

 

申告不要制度の創設

 

申告不要制度とは、投資家の納税事務を証券会社が代行することで、確定申告の手間を不要とする制度です。2001(平成13)年12月14日に決定した「2002(平成14)年度税制改正大綱」で、申告不要制度の創設が決まりました。2003(平成15)年1月から導入されます。

 

申告分離課税は、個人投資家が自分で納税手続きを行うため、投資家にとっては不便な制度です。
2003(平成15)年から申告分離課税に一本化されるにあたり、投資家の利便性を改善するために申告不要制度が考え出されました。

 

しかし、証券会社が代行するのは国税の源泉徴収だけで、地方税は対象外となったため、個人投資家は自分で地方税を納税することになり、さらなる改善が求められています。

 

申告分離課税の税率の引き下げ

 

一本化後の税率は、上場株式が原則20%、上場株式以外が26%となります。

 

2003(平成15)年1月1日以後に上場株式を譲渡した場合、税率は、現行の26%(所得税20%、住民税6%)から20%(所得税15%、住民税5%)に軽減されます。

 

譲渡損失の繰越控除制度の創設

 

上場株式の譲渡損失を、3年間繰り越し控除できます。

 

2003(平成15)年1月1日以後に上場株式を譲渡し、生じた損失をその年に控除できない場合には、翌年以後3年間の繰り越し控除が認められます。

 

株式取得価額特例の創設

 

上場株式の取得価額を、2001(平成13)年10月1日時点の80%相当額とみなせます。

 

2001(平成13)年9月30日以前に取得した上場株式を、2003(平成15)年1月1日から2010(平成22)年12月31日までの間に譲渡した場合、取得価額を2001(平成13)年10月1日時点の価額の80%相当額とみなすことができます。

 

≪長期保有上場株式に関する特例の創設≫

 

暫定税率特例の創設

 

長期保有の上場株式を譲渡する場合、税率は10%に軽減されます。

 

長期(1年超)保有した上場株式を、2003(平成15)年から2005(平成17)年の間に譲渡した場合、税率は10%(所得税7%、住民税3%)になります。
※暫定税率(10%)を適用する場合、新規公開株式に関する課税特例は適用できません。

 

100万円特別控除の特例の延長

 

100万円特別控除の適用期限を、2005(平成17)年12月31日まで延長します。

 

長期(1年超)保有の上場株式の譲渡益を100万円まで非課税にする優遇措置を、2005(平成17)年12月31日まで延長します。

 

≪緊急投資優遇措置≫

 

緊急投資優遇措置

 

改正法施行(2001年11月30日)から2002(平成14)年12月31日までに、個人が購入した上場株式(合計1000万円まで)を、2005(平成17)年から2007(平成19)年までの3年間に譲渡した場合、譲渡益は非課税となります。

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