クレジットデリバティブ
credit derivatives(クレジット・デリバティブ)
クレジットデリバティブ(5)クレジットリンク債
信用リスクを、別の債券の信用に結びつけた債券
クレジットリンク債は、信用リスクを、別の債券の信用に結びつけた債券です。クレジット・デフォルト・スワップの仕組みを債券に取り入れたもので、クレジット・リンク・ノート(CLN:Credit Linked Note)ともいいます。
クレジットリンク債は、契約で指定する会社に、債務不履行などのクレジット・イベント(信用問題)が発生しなければ、満期日に額面で償還されます。しかし、クレジット・イベントが発生すると、期限前に、指定会社発行の債券で償還されます。
デフォルトスワップを行うには、保証する側に十分な保証能力が必要です。ところが、クレジットリンク債は、債券を購入するという形で保証を行うため、投資家の信用力に関係なく取引が成立します。投資家に魅力的な商品となるよう、通常の債券よりも表面利率を高く設定します。
クレジットリンク債の具体例を取り上げてみましょう。
クレジットリンク債を、特別目的会社が発行するケースです。このクレジットリンク債の信用リスクは、A銀行にリンクしています。投資家がこの商品を購入すると、LIBOR+αのクーポン(変動金利)が、特別目的会社(SPC)から支払われます。
特別目的会社(SPC)は、投資家から受取った資金をA銀行に預金し、LIBORを受取ります。さらに、A銀行の特定債券を保証するデフォルトスワップを結ぶことにより、プレミアムを受取ります。これが投資家に支払われるクーポンの原資となるわけです。
このように、特別目的会社(SPC)が発行する債券を、クレジットリンク債に構成した商品は、クレジットリンク債の代表的なものです。不良債権の流動化を促進させる効果があるものとして、この商品の活用に期待が寄せられています。
参考ファイル
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > クレジットデリバティブ(5)クレジットリンク債