よくわかる!金融用語辞典 【クレジット・デフォルト・スワップ】

クレジット・デフォルト・スワップ(10)

クレジット・デフォルト・スワップ
credit default swap(クレジット・デフォルト・スワップ)
CDS

クレジット・デフォルト・スワップ(10)

(10)CDSと金融危機

 

CDSは、破たんリスクを分散する目的で、1997年ごろにJPモルガンによって開発されましたが、次第に、高いプレミアム料が得られる証券化商品(住宅ローン担保証券など)に補償対象を広げていきました。

 

さらに、CDSを裏付けとするシンセティックCDOも発行され、市場規模は急増し続けました。

 

≪リーマン・ブラザーズの破たん≫

 

2008年9月15日、米証券4位のリーマン・ブラザーズが破たんしました。

 

これに伴い、CDS契約でクレジットイベントが発生したため、信用リスクを補償する側の「プロテクションの売り手」は、多額の損失を被りました。

 

≪信用不安の拡大≫

 

リーマン・ブラザーズは、サブプライムローン関連の証券化商品を大量に発行していました。
そのため、破たんの影響は世界中の投資家や金融機関に飛び火し、「次はどの金融機関や企業が破たんするのか」という信用不安が広がっていきました。

 

≪金融危機へ≫

 

さらに、信用不安は銀行などの貸し渋りを招き、お金の流れが停滞しはじめる金融危機に陥りました。

 

クレジット・デフォルト・スワップ

 

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≪CDSは金融の大量破壊兵器≫

 

証券化商品の補償により、CDS取引は複雑にからみあい、どこが破たんしたら誰がどれだけ損をするのか、わからない状況(情報の不透明化)に陥っています。
CDS取引にかかわるリスクは、さらに広がり続けています。そのため、CDSは「金融の大量破壊兵器」とも呼ばれています。

 

クレジット・デフォルト・スワップ

 

≪リーマンのCDS決済≫

 

米リーマン・ブラザーズの破たん処理で、CDS引渡可能債務の評価額は、入札により8.625%に決まりました。
その結果、プロテクションの売り手の損失額は元本の91.375%となりました。

 

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