クレジット・デフォルト・スワップ
credit default swap(クレジット・デフォルト・スワップ)
CDS
クレジット・デフォルト・スワップ(6)
≪現物決済(額面ベース)≫
A銀行(プロテクションの買い手)は、C証券会社(プロテクションの売り手)にB社の社債(参照組織の引渡可能債務)を引き渡します。
代わりに、C証券会社(プロテクションの売り手)は、A銀行(プロテクションの買い手)に10億円(引渡可能債務の額面金額)を支払うという方法です。
≪現金決済(差金ベース)≫
C証券会社(プロテクションの売り手)は、A銀行(プロテクションの買い手)に7億円(10億円-引渡可能債務の評価額)を支払うという方法です。
現物決済において、A銀行(プロテクションの買い手)がB社の社債(参照組織の引渡可能債務)を保有していない場合には、市場から調達してこなければならないなど、手続きがたいへんです。
そのため、最近では、現物決済で契約していても、入札(Auction)によって決定された引渡可能債務の評価額(最終価格や回収率)で現金決済することが多くなっています。
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(6)CDSの契約
CDSは、国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA : International Swaps and Derivatives Association)の標準的な契約書(ひな型)を使って契約が行われます。
契約では、ひな型に沿って、対象債権、想定元本(補償金額)、信用事由(支払不履行、破産、金利減免など)、補償期間、決済方法(差金決済、債券受渡し)などの条件を定めます。
CDSで補償対象となるのは、プロテクションの買い手が企業に融資したことで生まれる貸付債権、購入した社債・株式などです。
≪CDSは相対取引≫
CDSは、相対で行われる取引です。相対取引は当事者間の1対1の売買取引であるため、「プロテクションの売り手」と「プロテクションの買い手」の合意によって、取引条件を自由に決められるというメリットがある一方、公正な取引価格(プレミアム)などの情報が入手しにくいというデメリットがあります。
ISDAの契約書を使うことで、相対で行われるCDS取引の流動性が高くなります。
≪CDS取引価格(プレミアム)は信用力をあらわす≫
CDSは、プレミアム(補償料)で取引されます。この取引価格が高いほど、参照組織の信用リスクが高い(クレジットイベント発生の可能性が高い)ことを意味しています。
同一条件のCDS取引価格を比較することで、参照組織(国、地方公共団体、企業)の信用力を読み取ることができます。
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