よくわかる!金融用語辞典 【国際通貨基金(IMF)】

国際通貨基金(IMF)

国際通貨基金(こくさいつうかききん)
International Monetary Fund(インターナショナル・マネタリー・ファンド)

国際通貨基金(IMF)

外国為替相場の安定を図る目的で創設された国際協力機関
国際収支の赤字国や開発途上国に支援融資を行う

 

国際通貨基金(IMF:International Monetary Fund)は、国際的な金融協力や外国為替相場の安定を図る目的で設立された国際協力機関です。加盟国の出資金を原資として、国際収支が悪化した国に融資を行っています。現在、加盟国は183カ国に上ります。本部は、ワシントンDCにあります。

 

1944年7月、連合国44カ国が、米国のニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まり、第二次世界大戦の通貨制度などに関する会議を開き、国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD:世界銀行)、GATT(関税・貿易に関する一般協定)が創設されました。これを、ブレトンウッズ協定といいます。
国際通貨基金(IMF)は、1945年12月に発効したIMF協定に基づいて、1946年3月に設立、1947年3月に業務を開始しました。

 

IMF協定では、大きな改正を2度行っています。
第1次改正(1969年7月)では、特別引き出し権(SDR:Special Drawing Rights)の創設を決めました。第2次改正(1978年4月)では、SDRを準備資産の共通表示単位とし、金やドルなどを用いないと決めました。

 

SDRとは、加盟国が国際収支不均衡となった場合に、外貨を豊富に保有している加盟国から、外貨の融通を受けることができる権利のことです。これを、特別引き出し権といいます。SDRは、加盟国の出資割当額に比例して、IMFから配分されます。外貨を豊富に保有している加盟国は、このSDRを対価に外貨の提供を行います。

 

国際通貨基金(IMF)

 

IMFでは、総務会、国際通貨金融委員会、理事会などが開かれています。会議での投票権は、加盟国の出資額によって票数が決められています。
総務会は、各加盟国の総務による最高意思決定機関です。日本の総務は蔵相、総務代理は日銀総裁です。世界銀行の総務会と合同で、年1回開かれます。
国際通貨金融委員会(旧 暫定委員会)は、年2回開かれる諮問機関です。
理事会は、5大出資国(米国、日本、ドイツ、英国、フランス)が任命する任命理事5名と、総会で選出する選任理事19名で構成されています。専務理事は、ホルスト・ケーラー前欧州復興開発銀行総裁です。

 

IMFの本来の役割は、外国為替相場の安定を図る目的で、国際通貨に関する協議を行うことでした。しかし、1973年に、世界の通貨システムが固定相場制から変動相場制へ移行したことにより、IMFは、その役割を変えています。
現在は、加盟国の国際収支不均衡を是正するために、加盟国の出資金から支援融資を行ったり、開発途上国に財政融資を行ったりしています。ただし、開発途上国に融資を行う場合には、経済再建の条件を課し、その履行を義務づけています。これを、コンディショナリティといいます。

 

日本は、1952年8月に国際通貨基金と国際復興開発銀行に加盟し、同年9月に総会で理事国に選出されました。

 

国際通貨基金(IMF)

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