派生商品(はせいしょうひん)
financial derivative products(フィナンシャル・デリバティブ・プロダクツ)
派生商品(4)デリバティブの利用法
リスクヘッジ、投機、裁定の3つの利用方法がある
デリバティブには、(1)リスクへッジ、(2)投機、(3)裁定 の3つの利用方法があります。
(1)リスクヘッジ
デリバティブは、相場の変動リスクを回避したい場合に利用します。
例えば、ある株式を保有していて、株価が今後値下がりしそうなのに、今すぐ株式を売ることができない事情があったとします。そうしたときに、先物で売っておけば、値下がりによって被る損失を回避することができます。
株価が1000円から900円に値下がりした場合、株式を売ると900円しか手に入らないので、現物では100円の損失を被ります。しかし、先物から100円の利益が得られるので、損失を相殺できます。これは、現物相場と先物相場が、同じ幅だけ動くと仮定した場合の話です。
こうした金融商品のリスクを回避することを、ヘッジと呼んでいます。ヘッジとは、現物で被る損失を、デリバティブで得られる利益で相殺することを意味します。現物と反対のポジションを、デリバティブで保有するわけです。
(2)投機
デリバティブを単独で保有する場合です。リスクをとって利益の獲得を狙います。
(3)裁定
デリバティブ商品の価格差を利用して、鞘取りをするものです。主にデリバティブを仲介する金融機関の取引方法です。
デリバティブは、新商品開発に欠かせないツ-ル(道具)となっています。
一般に、金融の新商品は、キャッシュフローを作り変えることで生まれます。
例えば、固定金利の商品を変動金利の商品に変換すると、新しいニーズ(必要性)に応えられるようになります。デリバティブは、債権を流動化させるストラクチャード・ファイナンス案件にも利用されています。
キャッシュフローを自由に作り変える技術のことをフィナンシャル・エンジニアリング(金融工学)といいますが、デリバティブを使いこなす技術が重要になってきています。デリバティブは、リスク管理の必携ツールです。
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 派生商品(4)デリバティブの利用法