市場機構(しじょうきこう)
market mechanism(マーケット・メカニズム)
価格メカニズム(かかくめかにずむ)
price mechanism(プライス・メカニズム)
市場機構(価格メカニズム)
商品の価格の動きを通して、生産量(供給量)と消費量(需要量)の過不足(需給ギャップ)が自動的に調整されて、生産と消費という活動が好ましい状態に導かれる仕組み
市場機構とは、消費者の欲する財やサービスが、過不足なく企業によって生産される仕組みのことをいいます。
私たちの暮らしに必要なモノ(財やサービス)を、誰がどれだけ作って家計に届けてくれるのか、というのは経済の大きな課題です。この課題を解決する仕組みが市場機構(価格メカニズム)です。
≪需要量と供給量≫
市場機構とは、商品の価格の動きを通して、生産量(供給量)と消費量(需要量)の過不足(需給ギャップ)が自動的に調整されて、生産と消費という活動が好ましい状態に導かれる仕組みのことをいいます。
商品を購入しようとする需要量は、価格の増減と逆方向に動きます。価格が安くなれば、購入者が増えて需要量は増えます。逆に、価格が高くなれば、購入者が減り需要量は減ります。
需要量が供給量を上回っていれば、商品の人気があがり、品薄状態となります。商品の価格はセリ上がっていきます。価格が高くなると需要量は減り、需要量と供給量は一致します。
逆に、需要量が供給量を下回っていれば、商品の人気が低くて売れ残りが生じます。商品の価格はセリ下がっていきます。価格が安くなると需要量は増え、需要量と供給量は一致します。
価格の動きにより、需給ギャップは解消されて取引が成立することになります。
≪分業と分配≫
分業(生産の工程をいくつかに分けて作業すること)を行うと、生産効率を上げることができます。分業による生産の促進と、市場での交換取引による生産財の分配が好ましい経済状態を導き出す、というのが市場経済の経済思想です。この経済思想を支持する考え方を自由資本主義といいます。
◆お金の流れ
現在、市場での交換取引は、お金を媒介にして行われています。経済活動をお金が支えていることから、これを貨幣経済と呼んでいます。
「企業」、「家計」、「政府」、「海外」の4つの部門の間を、毎日お金やモノが頻繁に行き交い、それぞれの働きによって経済は成り立っています。お金の流れから、実物経済(モノやサービスの流れ)を間接的に把握することができます。お金がなければ実物経済もうまく動きません。これが、経済にとって、金融がとても重要な理由です。
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