増資(ぞうし)
capital increase(キャピタル・インクリース)
増資(1)有償増資と無償増資
有償増資…投資家から払込金をとって、新株を発行すること
無償増資…会社の他の資産を振り替えて、新株を発行すること
増資とは、株式会社が資本金を増やすために、新株を発行することをいいます。転換社債やワラント債の権利を行使して株を取得した場合も、増資と考えられます。増資には、有償増資と無償増資があります。
≪有償増資≫
有償増資とは、投資家から払込金をとって新株を発行することです。設備資金や営業資金が必要なときや、借入金が膨らみ資本構成が悪くなったときに行われます。
銀行借入や社債発行による資金調達は、元利金を返済しなければなりませんが、有償増資(新株発行)による資金調達は、資金を返済する必要がありません。新株発行を伴う資金調達のことを、エクイティ・ファイナンスといいます。
増資を行う時の会社の経営状態は、良好とは限りません。経営状態が悪化し、その資金繰りのために増資を行う場合もあるので、投資家は会社の業績動向に注意が必要です。
有償増資の募集方法には、株主割り当て、第三者割り当て、公募などがあります。株主割り当ては、新株引受権を株主に与える方法です。第三者割り当ては、縁故者に新株引受権を与える方法です。公募は、不特定多数の一般投資家から応募者を募る方法です。
≪無償増資≫
無償増資は、会社の他の資産を振り替えて新株を発行することです。資本準備金や利益準備金を資本金に組み入れて、新株を発行します。投資家からの払込みは伴いません。
無償増資の目的は、会社の資本構成の是正や、株主への利益還元などです。
これまで、株式配当・無償交付・無償増資は、株式分割と区別されていましたが、1991年4月の商法改正によって、すべて株式分割に統一されました。
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