ロンバート型貸出制度(ろんばーとがたかしだしせいど)
補完貸付制度(ほかんかしつけせいど)
Lombard-type lending facility(ロンバート・タイプ・レンディング・ファシリティ)
ロンバート型貸出制度(補完貸付制度)
金融機関が日銀から公定歩合で短期資金を借りられる制度
金融機関の資金調達を、低金利で安定的に行わせる仕組み
2001(平成13)年3月16日から導入
ロンバート型貸出制度とは、金融機関が、日本銀行から公定歩合(日本銀行が金融機関に貸し出しを行う時の基準金利)で短期資金を借りられるという制度です。
従来の公定歩合貸し出しでは、日本銀行が、貸出先の銀行や貸出限度額を決定していました。ロンバート型貸出制度では、日本銀行は、金融機関の申し出に応じて必要額(金融機関が予め差し入れた担保の範囲内)を機動的に貸し出します。
ロンバート型貸出制度は、翌日返済を原則としますが、連続5日まで公定歩合での借り換え(ロールオーバー)が認められます。ただし、6日以上借りる場合には、公定歩合に2%上乗せした金利が適用されます。
≪制度導入の経緯(いきさつ)≫
ロンバート型貸出制度は、2001(平成13)年2月9日の政策委員会・金融政策決定会合で創設が決まり、2001(平成13)年3月16日から導入されました。
2001(平成13)年2月13日、日本銀行は、ロンバート型貸出制度の導入に先立ち、公定歩合を年0.5%から年0.35%に引き下げました。公定歩合の引き下げは、約5年5ヶ月ぶりです。
2001(平成13)年3月1日、日本銀行は、公定歩合を年0.35%から年0.25%に引き下げました。また、金融調節の誘導目標として、短期金利の無担保コール翌日物金利を年0.25%から年0.15%に引き下げました。
≪短期市場金利の上昇抑制に効果≫
金融機関が短期資金を必要とする場合には、通常、銀行間同士でお金を貸し借りするコール市場を利用します。コール市場の貸出金利は公定歩合より安いのですが、景気が悪くなると、お金を必要とする金融機関が増加し、コールレートが上昇してしまいます。
ロンバート型貸出制度は、金融機関の資金調達を低金利で安定的に行わせる仕組みです。短期市場金利が公定歩合より上昇することを抑制する効果があり、実質的に日本銀行が短期市場金利に「上限」を設ける仕組みといえます。市場に安心感を与えることで、景気回復につながると期待されています。
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