よくわかる!金融用語辞典 【金利裁定取引(3)円投】

金利裁定取引(3)円投

金利裁定取引(きんりさいていとりひき)
interest rate arbitrage transaction(インタレスト・レート・アービトラージ・トランズアクション)

金利裁定取引(3)円投

円投…円資金を外貨に投入して、外貨で運用する操作
円投の地合い…円投をして裁定機会が捉えられる市況

 

外貨資金を円に転換して、円貨で運用する操作を円転(えんてん)といいます。逆に、円資金を外貨に投入して、外貨で運用する操作を円投(えんとう)といいます。

 

円投をして裁定機会が捉えられる市況を、円投の地合いといいます。円投の地合いは、スワップ為替予約のついた外貨預金が有利な市況であることを示しています。

 

直先スプレッドが金利差より縮小しているときには、円投して裁定機会を捉えます。

 

例えば、直先スプレッドが年率2%、金利差2.5%(米ドル金利5.5%、円金利3%)の場合、円貨借入れをして、ドルに転換して運用します。為替予約をつけると、ドルでの資金コストは5%(円金利3%+直先スプレッド2%=5%)となります。ドルでの運用益が5.5%なので、0.5%の利益があがります。

 

こうした裁定機会があると、円投用の為替スワップ(ドルの直買い/先売りのスワップ)への需要が増えてきます。

 

直物市場では、ドルの直買いの圧力が加わり、ドル上昇(円安)へ向かいます。先物市場では、ドル先売りの圧力が加わり、ドル下落(円高)へ向かいます。その結果、直先スプレッドは、拡大してパリティ状態へ向かいます。パリティとは、直先スプレッドが金利差と一致している均衡状態のことです。

 

直先スプレッド<金利差 … 円投(外貨預金)に裁定機会

スポンサーリンク

金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 金利裁定取引(3)円投

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

トップへ戻る