コルレス契約(こるれすけいやく)
correspondent agreement(コレスポンデント・アグリーメント)

コルレス契約

日本の銀行が海外の銀行と結ぶ、為替業務の代行に関する契約
デポ・コルレス…預金勘定をおいている取引銀行先
ノン・デポ・コルレス…預金勘定をおいていない取引銀行先

 

日本の銀行は、海外の銀行との間で、為替業務の代行に関する契約を結んでいます。この為替取引契約を「コルレス契約」といい、契約の相手先を「コルレス先」といいます。コルレス契約では、手形の取立依頼、送金の支払委託、信用状の授受、決済勘定などの取決めを行います。

 

コルレス契約

 

海外には、日本銀行のような最終決済を行う中央銀行はありません。外国為替の決済には、海外の銀行に預金口座を持つ必要があります。日本の銀行は、あらかじめ、海外の銀行に預金口座を開設し、その口座に入出金を行うことで決済します。

 

例えば、日本の東銀行がニューヨークのA社に100ドルを送金する場合、東銀行は、ニューヨークにあるニューヨーク銀行に連絡をとり、東銀行の預金口座から100ドルを下ろして、A社の口座に入金するように依頼します。この口座振替により、実際に現金を送ることなしに送金を行います。

 

コルレス契約

 

しかし、海外のすべての銀行に預金口座を作っておくのは大変です。そこで、預金口座をおいていない銀行とは、他の銀行がもつ預金取引関係を利用して、間接的に決済します。

 

例えば、東銀行が預金口座を設けていないサン銀行に送金したい場合、サン銀行に預金勘定をもつニューヨーク銀行に立替え払いをしてもらい、ニューヨーク銀行にある東銀行の預金勘定で決済を行います。

 

預金口座は、通貨別に各国の銀行に設けられています。例えば、米ドルであればニューヨークに所在する銀行、英ポンドであればロンドンに所在する銀行に口座を開設しています。

 

コルレス先で、預金勘定をおいている取引銀行先を「デポ・コルレス」といいます。また、預金勘定のことを「為替決済勘定」と呼んでいます。デポ・コルレス先の預金残高は、入出金が相殺されて、わずかな増減に収まります。決済勘定残高の過不足調整は、為替市場で外貨を売買して調整されます。

 

コルレス先で、預金勘定(為替決済勘定)をおいていない取引銀行先を「ノン・デポ・コルレス」といいます。ノン・デポ・コルレス先の口座振替は、他の銀行を通して間接的に行います。

 

コルレス契約

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