株式分割(かぶしきぶんかつ)
stock splits(ストック・スピリッツ)
株式分割
すでに発行されている株式を分割して、株式数を増加させること
株式分割とは、すでに発行されている株式を分割して、株式数を増加させることです。株主への配当は持ち株数によって行われるため、1株あたりの配当金額が変わらないなら、株式分割は株主にとって増配となります。
≪流通性を高める効果≫
株式分割は、流通性を高める目的で行います。市場での株価が高くなりすぎた場合に分割すると株価を下げることができるため、市場で株式を売買しやすくなります。
◆売却時の利点
1単元の株式が株式分割により2単元になった場合、株主は1単元ずつ売却することが可能になります。
◆購入時の利点
1株を2株に分割した場合、株数は2倍になりますが、理論上、株価は半額になります。したがって、会社の時価総額の計算方法である「株数×株価」に変化はありません。株式の保有比率も変わりません。株式の購入希望者にとっては、株価が半額になることで、今までの半分の資金で株式を購入できます。
しかし、株式分割を行う会社は一般的に業績が良好で将来の期待感もあり、また、株式分割により市場での流通性が高まるため、実際には株価は半額より高く推移する場合が多いようです。
≪商法改正≫
◆1991年4月施行
1991(平成3)年4月に施行された商法改正で、これまで株式分割とは区別されていた無償交付や株式配当などの新株発行が、株式分割に統一されました。
株式配当とは、配当を現金で行わず、新株を発行して株主に付与することです。無償交付とは、新株を発行して株主に無償で交付することです。
◆2001年10月1日施行
2001(平成13)年10月1日に施行された商法改正で、株式分割後の1株あたりの株主資本(純資産)が5万円以上でなければ株式分割を行えない、とする規制は撤廃されました。また、株式分割を行う際の、株式総数に関する定款変更を取締役会の決議で行えるようになりました。
株式分割を行うと株式数が増加するため、定款で定められている発行予定の株式総数を、分割割合に応じて増加できるように変更する必要があります。
定款変更は、通常は株主総会の特別決議で行われますが、この株式総数に関する定款変更を、取締役会の決議で行えるように改正されました。 ただし、内容の異なる株式(優先株や転換社債など)を発行している会社の場合には、株主総会の特別決議が必要です。
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