転換社債(てんかんしゃさい)
convertible bond(コンバーティブル・ボンド)
転換社債(5)乖離率(かいりりつ)
転換社債の時価とパリティの、離れ具合の割合を示したもの
転換社債の時価とパリティの、離れ具合の割合を示したものを「乖離率」といいます。転換社債を、株式に転換した方が得かどうかを見るのに使う指標です。 パリティとは、転換社債の価値を、株式の時価から社債の基準に見直したものです。乖離とは、はなればなれになるとか、わかれ具合、という意味です。
乖離率 (%) = (転換社債の時価 - 理論価格) ÷ 理論価格 × 100
株価が1200円の時に転換価格が1000円であれば、理論価格は120円となります。
理論価格(パリティ)
=株価(時価) ÷ 転換価格 × 100
=1200 ÷ 1000 × 100 = 120円
この時、転換社債の時価が120円であれば、乖離率は0%となります。時価が132円であれば乖離率は10%となり、理論価格より10%高い水準で取引されていることになります。乖離率が大きいほど、株価に対する割高度が大きいことを示します。
乖離率 = (132-120) ÷ 120 × 100 = 10%
逆に、時価が108円ならば、乖離率はマイナス10%となります。乖離率がマイナスになっているときを「逆乖離」といいます。逆乖離は、転換社債が株式より割安になっていることを示します。逆乖離なら、転換社債を買って株式に転換して売却すると、利益が得られます。
乖離率 = (108-120) ÷ 120 × 100 = -10% ⇒ 逆乖離
転換社債を処分する場合、乖離率がプラスならば、転換社債のまま売却した方が得です。逆乖離ならば、株式に転換して売却した方が得です。
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