転換社債(てんかんしゃさい)
convertible bond(コンバーティブル・ボンド)
転換社債(1)転換社債とは何か
株式に転換する権利が付いた社債
商法改正(2002年4月1日施行)で、新株予約権付社債に分類(転換権→新株予約権)
転換社債は、株式に転換する権利が付いた社債です。英語でコンバーティブルボンド(Convertible Bond)、略してCB(シービー)といいます。社債の元本・利息収入の確実性と、株式の値上がりによる収益性を兼ね備えた商品です。
2002年4月1日に施行された商法改正により、転換権は新株予約権に改められ、転換社債は新株予約権付社債に分類されました。
転換社債は、転換権を行使すると社債がなくなり、株式に変わります。いったん株式に転換すると、再び社債には戻せません。株式に転換するのに追加の資金は要りません。
株が値上がりした場合には、購入者が一定期間内に請求を行えば、株式に転換することができます。しかし、株が値上がりしない場合には、社債として保有して、利子を受取ることができます。
株が値下がりしても社債としての価値があるため、転換社債は一定水準より値下がりすることはありません。転換社債を100円以下の値段で購入できれば、元本保証の保険つき株式と見ることができます。
株式に転換せず、社債として償還期限まで保有すると、元本の払戻しを受けられます。満期日には額面金額の元本が返ってくるので、銀行に定期預金をしているのと同じです。転換社債は、株式の投機性と社債の安全性とを兼ね合わせた債券です。
転換社債を購入者側からみると、社債として利子を受取れる楽しみや、株価が上がったときに株式に転換してキャピタルゲイン(売却益)を得られる楽しみがあります。
一方、発行する企業側からみると、社債のクーポン利率を普通社債より低く発行できるため、低コストの借入れ手段となります。業績が順調であれば株価が上がり、株式に転換されると社債を返済する必要がなくなります。株式増資に比べて、配当負担が一度に増加しないのも魅力です。
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