信用取引(しんようとりひき)
margin trading(マージン・トレーディング)
信用取引(7)信用取引の種類と銘柄
制度信用取引…上場内国株券のうち、証券取引所が選定した上場銘柄を対象とする取引
一般信用取引…制度信用銘柄以外の上場銘柄を対象とする取引
店頭登録銘柄の信用取引…店頭登録銘柄(日本証券業協会が選定)を対象とする取引
信用取引は、大きく、(1)制度信用取引 (2)一般信用取引 (3)店頭登録銘柄の信用取引 に分けられます。
≪制度信用取引≫
上場内国株券のうち、証券取引所が選定した上場銘柄を対象とする信用取引です。この対象銘柄を、制度信用銘柄と呼んでいます。
制度信用取引は、証券取引所の規則により、銘柄、品貸料、弁済期限などが一律に決められている取引です。弁済期限は6ヶ月以内です。
証券会社は、制度信用取引に必要な資金や株式を、証券金融会社から調達しています。この証券会社と証券金融会社との間で行われる取引を「貸借取引」と呼んでいます。
制度信用銘柄のうち、一定の基準(上場株式数、売買高、企業業績など)を満たした銘柄を貸借銘柄といい、貸借銘柄以外の銘柄を非貸借銘柄といいます。
貸借銘柄は、証券金融会社から、資金と株券の調達が行える銘柄です。
非貸借銘柄は、証券金融会社から、資金の調達だけが行える銘柄です。株券は、証券会社が、証券金融会社を通さずに調達しなければなりません。
≪一般信用取引≫
制度信用銘柄以外の上場銘柄の信用取引です。ただし、上場廃止基準に該当する銘柄は、対象外です。これを、一般信用銘柄と呼んでいます。
一般信用取引は、顧客と証券会社との間で、金利、品貸料、弁済期限などの取引条件を自由に決めることができる取引で、1998(平成10)年12月から導入されました。証券会社は、一般信用取引に必要な資金や株式を、社内で調整(担保として預かっている資金や株式を充てる)、または貸株市場から調達します。証券金融会社からの調達は行いません。
≪店頭登録銘柄の信用取引≫
店頭登録銘柄を対象にした信用取引です。店頭登録銘柄とは、日本証券業協会が選定した銘柄です。店頭登録銘柄の信用取引は、金利、品貸料などの取引条件を自由に決めることができる取引です。ただし、弁済期限に関しては、日本証券業協会の規則により一律(3ヶ月以内または、6ヶ月以内)に決められています。
証券会社は、店頭登録銘柄の信用取引に必要な資金や株式を、社内で調整(担保として預かっている資金や株式を充てる)、または貸株市場から調達します。証券金融会社からの調達は行いません。
≪証券金融会社≫
証券金融会社は、制度信用取引において、証券会社への株式(有価証券)や資金の貸付けを主要業務とする会社です。全国に、日本証券金融、大阪証券金融、中部証券金融の3社があります。
≪貸株市場≫
株式を調達する市場のことを、貸株市場といいます。
証券会社が証券金融会社で株式を調達できない場合、証券金融会社が株不足となった場合、ヘッジファンドが空売りを仕掛ける場合などに、保険会社や信託銀行などから株式を調達するのに利用されている市場です。
日本の貸株市場は欧米より遅れていましたが、1998年の金融ビッグバンで本格的に整備が行われました。
参考ファイル
金融大学TOP > よくわかる!金融用語辞典 > 信用取引(7)信用取引の種類と銘柄