イールドカーブ
yield curve(イールドカーブ)
イールドカーブ(3)イールドカーブの理論
パー・イールド…複利ベースの利付債の最終利回り
ゼロ・クーポン・イールド…複利ベ-スの割引債の最終利回り
純粋期待仮説、流動性プレミアム仮説、市場分断仮説がある
≪純粋期待仮説≫
純粋期待仮説は、長期金利は将来の金利の期待値で決定されるという理論です。これは、長期の金利で運用しても、短期の金利で運用しても、結果が同じになるように長期の金利が決められるという理論です。期待値(きたいち)とは、将来金利の予測値のことです。
例えば、現在の1年物の短期金利が10%であるとします。1年先に1年物の預金金利がいくらになっているのかはわかりませんが、現時点でこれを12%と予想するのであれば、2年物の長期金利は、約11%に決まるという理論です。
つまり、長期金利11%で2年間運用するのと、短期金利10%で1年間と1年先の短期金利12%で1年間運用した結果が等しくなるということを示しています。
◆元本100万円を1年物の短期で運用すると、2年後には
100万円×(1+0.10)×(1+0.12)=123.2万円 になります。
◆元本100万円を2年物の長期で運用すると、2年後には
100万円×(1+0.11)×(1+0.11)=123.21万円 になります。
1年物の将来金利が12%ではなく10%になった場合、100万円を1年物(10%)で借り入れて2年物(11%)で運用すれば、リスクなしで利益が得られることになります。
すると1年物(10%)で借り入れる人が増えるので、1年物の短期金利は上がります。同時に、2年物(11%)で運用する人が増えるので、2年物の長期金利は下がります。
こうした裁定取引(リスクなしに利益を得る取引)により、短期金利と長期金利の運用結果が等しくなるところで金利が決定する、という理論を純粋期待仮説といいます。
≪流動性プレミアム仮説≫
資金の運用期間が長くなるほど、将来に金利が変動して損失を被る可能性は、大きくなります。したがって、長期金利は、リスク分(不確実性)だけ短期金利よりも高くなるという仮説が成り立ちます。これを流動性プレミアム仮説といいます。
短期金利に上乗せされるリスク部分をリスク・プレミアムと呼んでいます。長期金利は、将来に対する不確実性が大きく、短期金利と比べて流動性がないため、その対価としてプレミアムがつくという考え方です。
≪市場分断仮説≫
短期金利と長期金利は、別々の市場で、各期間の金利に対する資金需給により決定されるという仮説です。純粋期待仮説で考えたような、短期市場と長期市場の間の裁定取引は行われないとする考え方です。
裁定取引を行うために発生する手数料が高かったり、市場に自由に参加できないような場合には、市場分断仮説が当てはまります。
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