金融ビッグバン(きんゆうびっぐばん)
Financial Big Bang(フィナンシャル・ビッグ・バン)
金融ビッグバン
1996年に橋本内閣が提唱した金融制度改革
金融自由化の3つのキーワード…フリー(自由)、フェア(公正)、グローバル(国際化)
≪金融ビッグバンとは何か≫
金融ビッグバンは、1996(平成8)年11月に第2次橋本内閣が提唱した、金融制度改革のことをいいます。英国のビッグバンと区別する意味で、日本版ビッグバンとも呼ばれています。
金融ビッグバンは、2001(平成13)年には東京市場をニューヨークやロンドンのような国際市場にする、ということを目的に行われた改革です。
◆ビッグバン
ビッグバンは、1986(昭和61)年10月に英国のサッチャー首相によって、英国証券取引所で行われた証券制度改革のことをいいます。宇宙創世のときの大爆発にたとえて、ビッグバンと呼ばれています。
ビッグバンは、国際金融センターとしての、シティの地位を確立することを目的に行われた改革です。
≪規制緩和・撤廃≫
金融ビッグバンは、金融市場の規制を緩和・撤廃して、金融市場の活性化や証券業界の国際化をはかろうというものです。
◆外為法の改正
外為法を改正して、一般企業でも外貨を自由に取引できるように、外国為替業務の自由化をはかりました。個人でも、外貨預金が自由に持てるようになりました。
◆銀行と証券、生保と損保の業務の相互参入
銀行業務と証券業務の垣根を取り払う規制緩和が進められています。持ち株会社を通して、銀行は証券業務に、証券会社は銀行業務に参入できるようになりはじめています。
一方、保険業界でも、生命保険と損害保険の業務相互乗り入れが始まっています。
◆間接金融から直接金融へ
企業の資金調達方法が、銀行借入れから、株式や社債の発行による方法に変わりつつあります。個人の貯蓄方法も、預金から、投資信託や株式などの商品に移り始めています。こうした証券の形でお金が流れることを証券化(セキュリタイゼーション)と呼んでいます。
これは、日本の金融システムが、間接金融から直接金融へ移行し始めていることを示しています。
≪3つの原則≫
金融自由化には、3つのキーワードがあります。フリー(自由)、フェア(公正)、グローバル(国際化)です。
自由な取引とは、金融商品の金利も個々の銀行ごとに自由に設定される自由競争を意味します。
自由競争をするためには、取引が公正に行われる必要があります。取引相手双方が十分な情報を持っていることが公正な取引を保証します。金融機関も個人も同等の情報を持っていることが前提です。
例えば、不良債権を十分な情報を持たない個人に売りつけるようなことは許されません。フェアな取引ができるかどうかは、金融機関の「情報開示」にその鍵が隠されています。
自由、公正、国際化というコンセプトを実現できるかどうかは、取引参加者のモラル(倫理)が重要になります。
金融の基本は、信用だからです。
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