財政投融資(ざいせいとうゆうし)
treasury investments and loans(トレジャリー・インベストメント・アンド・ローンズ)
財政投融資制度
大蔵省資金運用部が、郵便貯金などの資金を特殊法人に融資する制度
制度改革により、郵便貯金などの預託を廃止(2001年4月1日)
特殊法人は、財投機関債を発行して自主的に資金調達を行う
財政投融資制度とは、大蔵省資金運用部(現 財務省)が郵便貯金や年金積立金などの資金を全額預かり、資金運用部から特殊法人(公庫や公団など)に融資する制度です。特殊法人は、このお金を、高速道路や空港などを建設する大型事業や、中小企業の事業資金、国民の住宅建設資金などへ融資してきました。
これまで、特殊法人は資金運用部から自動的に資金の流入を受けてきました。自主的な資金調達を行う必要がなかったため、市場のチェックを受けることがなく、経営が不透明であるといわれてきました。また、官庁の役人が特殊法人に再就職(天下り)し、高額の退職金を受け取っていることも問題となりました。
≪財政投融資制度の改革≫
2001(平成13)年4月1日、「資金運用部資金法等の一部を改正する法律案(2000年5月24日成立)」が施行されました。
これにより、大蔵省資金運用部は廃止され、郵便貯金や年金積立金などを預託する制度も廃止となりました。郵便貯金などは、金融市場で自主的に資金運用し、特殊法人は財投機関債を発行して金融市場から自主的に資金調達を行います。
財投機関債とは、特殊法人が自らの信用力で発行する、政府保証のない債券です。したがって、市場から資金を調達するためには、経営内容などの情報を公開し、市場のチェックを受けて、信用力を高めることが必要になります。
しかし、業績悪化などから財投機関債を発行できない状況にある特殊法人には、政府保証債の発行を認め、さらに、財投機関債・政府保証債においても資金調達が困難な場合には、政府が財投債を発行して調達した資金を融資する措置が採られます。財投債とは、特殊法人に融資するために、財政融資資金特別会計(2001年4月に新設)が国の信用で発行する国債です。
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