景気(けいき)
business conditions(ビジネス・コンディションズ)
景気
景気とは、経済活動の勢いのこと
景気循環のパターン…キチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波が知られている
≪景気とは何か≫
景気とは、経済活動の勢いのことです。
モノがよく売れて企業の利益が上がり、個人の所得が増えるよい状態を好景気とか好況といいます。世の中の金まわりがよく、経済活動が活発な状態です。
逆に、モノの売れ行きが悪く企業の利益が減少し、個人の所得が減る悪い状態を不景気とか不況といいます。世の中の金まわりが悪く、経済活動が不活発な状態です。
経済活動の状態は、常に変化しています。これを景気変動といいます。
≪景気の循環≫
家計の懐具合が良いとモノの消費が増え、景気は良くなります。企業は生産を増やすことができます。しかし、モノが売れすぎると、モノの値段は上がります。すると、モノが売れなくなり、景気は悪くなります。企業は生産を控えはじめます。モノが売れなくなると、モノの値段は下がります。すると、またモノが売れはじめ、消費が増えて景気は良くなります。このように景気は循環しています。
◆景気循環の分類
景気の循環には、特徴的なパターン(型)が見られます。そのパターンは、周期の長さによって、(1)キチンの波、(2)ジュグラーの波、(3)クズネッツの波、(4)コンドラチェフの波、の4つに分けられます。
(1)キチンの波(キチン循環)
キチンの波は、約40ヶ月の周期を持つ景気循環です。企業の在庫投資が起因すると考えられています。
在庫(投資)循環、小循環、短期波動とも呼ばれています。
キチンの波は、アメリカの経済学者キチン(J.A.Kitchin、生没年不詳)により明らかにされました。
(2)ジュグラーの波(ジュグラー循環)
ジュグラーの波は、約10年の周期を持つ景気循環です。企業の設備投資が起因すると考えられています。
設備投資循環、主循環、中期波動とも呼ばれています。
ジュグラーの波は、フランスの経済学者ジュグラー(J.C.Juglar、1819-1905)により明らかにされました。
(3)クズネッツの波(クズネッツ循環)
クズネッツの波は、約20年の周期を持つ景気循環です。建築物の需要が起因すると考えられています。
建築循環とも呼ばれています。
クズネッツの波は、1971年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者クズネッツ(S.S.Kuznets、
1901-1985)により明らかにされました。
(4)コンドラチェフの波(コンドラチェフ循環)
コンドラチェフの波は、約50年の周期を持つ景気循環です。技術革新が起因すると考えられています。
大循環、長期波動とも呼ばれています。
コンドラチェフの波は、ソ連の経済学者コンドラチェフ(N.D.Kondratieff、1892-1938)により明らかにされました。
≪景気統計≫
景気の動向を見るための統計として、景気動向指数、景気ウォッチャー調査、消費者態度指数、消費者物価指数などが使われています。
◆景気動向指数
景気動向指数とは、景気の動きを見るために、いくつかの指標を組み合わせたものです。複数の指標を組み合わせることで、総合的に景気局面の判断・予測を行います。
景気動向指数は、景気基準日付の判定に用いられています。景気基準日付とは、景気の上昇(拡張)と下降(収縮)の転換点となる時点のことをいいます。この上昇(拡張)の上限点を「景気の山」、下降(収縮)の下限点を「景気の谷」と呼んでいます。
◆景気ウォッチャー調査
景気ウォッチャー調査とは、景気に敏感な職業の人たちをウォッチャーに選び、景気の現状や見通しを報告してもらうものです。地域ごとにさまざまな業種のウォッチャーを選ぶため、収集した情報は地域経済を反映したものとなり、景気判断の材料とされます。
◆消費動向調査
消費動向調査とは、景気の動向を判断するために、消費者の意識の変化やサービスの支出などを調査するものです。「暮らし向き」、「収入の増え方」、「物価の上がり方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の5項目が今後半年間にどう変化するのか、消費者の考え(意識)を調査します。
◆消費者物価指数
消費者物価指数とは、全国の一般消費者世帯が購入する商品とサービスの総合的な価格の動きをわかりやすくした数値のことです。景気がよくなると物価が上がり、景気が悪くなると物価が下がる傾向があることを利用して、景気判断の目安にします。
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