特別検査（とくべつけんさ）
special inspections（スペシャル・インスペクションズ）
特別検査（2004年3月期）
金融庁が、大口債務者に対する大手銀行の自己査定を検証するもの
特別検査とは、金融庁が、対象債務者（融資先）に対する大手銀行の自己査定を検証するものです。
≪検査の概要≫（金融庁の公表資料より作成）
◆日程
特別検査は、２００４（平成１６）年１月２７日に着手し、４月２７日に検査結果を公表しました。
◆対象銀行：主要１１行
対象銀行は、三井住友銀行、住友信託銀行、中央三井信託銀行、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、東京三菱銀行、三菱信託銀行、ＵＦＪ銀行、ＵＦＪ信託銀行、りそな銀行の１１行です。
◆対象債務者：１３３社
対象先は、１３３社（与信額１０．５兆円）です。
２００３年９月期の特別検査の対象先１６１社（会社分割などにより１６９社となる）から、破たんやオフバランス化などの理由によって４６社減少し、さらに新規で１０社追加して、１３３社（１６９－４６＋１０＝１３３）となりました。
≪検査の結果≫
金融庁は、全業種（１３３社）を対象とした数値と、不良債権が特に目立つ４業種（１００社）を対象とした数値を公表しました。
※下位遷移…銀行の自己査定（２００３年９月期決算時）より、査定を引き下げられた債務者
※破綻懸念先以下…破たん懸念先、実質破たん先、破たん先に引き下げられた債務者
※４業種…建設業、不動産業、卸小売業、その他金融業のこと
◆不良債権処分損
※引当金残高…２００４年３月期末は、２００３年９月期末（２．２兆円）＋０．０４兆円の２．２兆円
※直接償却…不良債権を帳簿から切り離してオフバランス化すること。銀行の債権放棄、法的整理（会社更正法の適用）、債権の売却 の３つの方法がある。
公表数値について
２００４年９月期の特別検査の資料（２００４年１１月１２日公表）では、２００４年３月期末の不良債権処分損は０．７兆円（直接償却費０．４兆円＋引当増加額０．３兆円）となっています。
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