よくわかる!金融用語辞典 【銀行(4)破たんした銀行】

銀行(4)破たんした銀行

銀行(ぎんこう)
bank(バンク)

銀行(4)破たんした銀行

北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行、新潟中央銀行、石川銀行、中部銀行、足利銀行

 

≪北海道拓殖銀行≫ 1997(平成9)年11月17日破たん

 

北海道拓殖銀行は、1994(平成6)年9月の大蔵省検査(現 財務省)で、背任行為(リゾート会社への融資)の指摘を受けましたが、100億円の融資を続けました。

 

北海道内の拓銀の営業は、第二地方銀行の北洋銀行に譲渡されました。これにより、北洋銀行の預金量は北海道内ではトップとなりました。

 

≪日本長期信用銀行≫ 1998(平成10)年10月13日破たん

 

日本長期信用銀行は、1992(平成4)年1月と1996(平成8)年4月の大蔵省検査(現 財務省)で、系列ノンバンクへの融資審査の甘さを指摘されましたが、不良債権をペーパーカンパニーに飛ばす行為を行っていました。

 

営業は、ニュー・LTCB・パートナーズに一括譲渡され、2000(平成12)年6月5日に新生銀行となりました。

 

≪日本債券信用銀行≫ 1998(平成10)年12月13日破たん

 

日本債券信用銀行は、1997(平成9)年4月の大蔵省検査(現 財務省)で、不良債権飛ばしを指摘されましたが、その後も操作を続けました。日本債券信用銀行の破たん処理に伴う国民負担は、3兆2441億円(2000年3月末時点)となっています。

 

ソフトバンク・グループ(ソフトバンク株式会社、オリックス株式会社、東京海上火災保険株式会社)に買収され、2001(平成13)年1月4日に、あおぞら銀行となりました。

 

≪国民銀行≫ 1999(平成11)年4月11日破たん

 

第二地方銀行の国民銀行は、前頭取らによる不正融資(総額500億円)により損害を受け、破たんとなりました。1996(平成8)年の大蔵省検査(現 財務省)で、不良債権総額が1580億円、欠損見込み額が450億円(1996年3月期の自己資本金は206億円)でしたが、大蔵省の検査結果を無視して、不良債権をペーパーカンパニーに飛ばしたり、ずさんな融資を繰り返し、712億円(1998年9月末時点)の債務超過に陥りました。

 

2000(平成12)年8月14日、営業は、第二地方銀行の八千代銀行に譲渡されました。

 

≪幸福銀行≫ 1999(平成11)年5月22日破たん

 

1997(平成9)年、大蔵省(現 財務省)は、経営不振だった関西の第二地方銀行4行(京都共栄、幸福、福徳、なにわ)を合併させようとしましたが交渉が成立せず、福徳、なにわが合併(なみはや銀行となり、1999年8月7日に破たん)、京都共栄銀行は1997(平成9)年10月に破たんとなり、幸福銀行が受け皿銀行となりました。

 

第二地方銀行の幸福銀行は、464億円の債務超過(1998年9月末時点)に陥り、自己資本比率が0.5%(1999年3月末時点)となり、早期是正措置を発動されました。1999(平成11)年5月に1200億円の預金が流出し、破たんとなりました。

 

営業は、アジア・リカバリー・ファンド(米国)に譲渡され、2001(平成13)年2月26日に関西さわやか銀行となりました。

 

≪東京相和銀行≫ 1999(平成11)年6月12日破たん

 

第二地方銀行大手の東京相和銀行は、1998(平成10)年9月末時点で1637億円の債務超過に陥り、1999(平成11)年3月末時点で1022億円の債務超過に陥りました。自己資本比率が2.42%となったため、1999(平成11)年5月31日に早期是正措置が発動され、6月14日までに回答するよう求められましたが、破たんとなりました。

 

営業は米投資会社ローンスターに譲渡され、2001(平成13)年6月11日に東京スター銀行となりました。

 

≪なみはや銀行≫ 1999(平成11)年8月7日破たん

 

第二地方銀行のなみはや銀行は、1161億円の債務超過(1999年3月末時点)に陥り、破たんとなりました。
なみはや銀行は、旧福徳銀行と旧なにわ銀行の特定合併で1998(平成10)年10月に発足しましたが、わずか10ヶ月余りで破たんとなりました。特定合併とは、経営不振に陥った、債務超過ではない銀行同士を合併させ、再建を図るというものです。金融当局は、両行が債務超過に陥っていたかどうかを把握せずに合併をあっせんしたことを認めています。

 

2001(平成13)年2月13日、 営業は、大和銀行、近畿大阪銀行に分割譲渡されました。

 

≪新潟中央銀行≫ 1999(平成11)年10月2日破たん

 

第二地方銀行の新潟中央銀行は、141億円の債務超過(1998年9月末時点)に陥り、1999(平成11)年6月に早期是正措置を発動されました。350億円の増資計画を立てて経営再建を目指しましたが、増資交渉が成立せず、破たんとなりました。

 

2001(平成13)年5月14日、営業は、大光銀行、第四銀行、八十二銀行、東日本銀行などに分割譲渡されました(第四銀行は5月9日に譲渡)。

 

≪石川銀行≫ 2001(平成13)年12月28日破たん

 

第二地方銀行の石川銀行は、不良債権処理に伴う損失が膨らみ、224億円の債務超過(2001年9月末時点)に陥り、破たんとなりました。

 

2002(平成14)年3月1日、北陸銀行(地方銀行)に営業譲渡する方向で最終調整を行っていることが明らかになりましたが、2002(平成14)年3月28日、金融庁は日本承継銀行(ブリッジバック)に営業を一時譲渡することを決定しました。2003(平成15)年3月24日、日本承継銀行を経由して、北陸銀行、北国銀行、富山第一銀行、金沢信用金庫、能登信用金庫に営業譲渡されました。

 

≪中部銀行≫ 2002(平成14)年3月8日破たん

 

第二地方銀行の中部銀行は、2001(平成13)年末に資金不足のため金融庁から早期是正措置を受けました。また、2002(平成14)年3月5日には自己資本比率の数値に関して正確性に欠ける情報を開示したとして金融庁から業務改善命令を受けました。このため預金残高が激減、資金繰りが悪化し、破たんとなりました。

 

2003(平成15)年3月3日、日本承継銀行を経由して、清水銀行、静岡中央銀行、東京スター銀行に営業譲渡されました。

 

≪足利銀行≫ 2003(平成15)年11月29日破たん

 

地方銀行の足利銀行(本店・宇都宮市)は、9月末に債務超過1023億円、自己資本比率マイナス3.7%に陥っていたとして、預金保険法第102条第1項第3号の適用を受けました。これにより、足利銀行は一時国有化されて特別危機管理銀行となり、足利銀行の株式は預金保険機構が取得しました。預金は全額保護されます。

 

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