金融市場(きんゆうしじょう)
financial market(フィナンシャル・マーケット)
金融市場
金融機関を主な取引参加者として、お金の貸し借りが行われる場
短期金融市場と長期金融市場に分けられる
金融市場とは、金融機関を主な取引参加者として、お金の貸し借りを行う場のことです。市場は、物理的な場所がなくても、取引情報が一箇所に集められるところに構築されます。現在の金融市場は、電話回線で繋がった取引ネットワークのことを指します。
金融市場は、取引期間の長短によって、短期金融市場と長期金融市場に分けられます。短期金融市場とは、期間1年未満の資金を融通する市場です。一方、長期金融市場とは、1年以上の資金を融通する市場です。
個人や企業が銀行におく預金取引やローン取引を、預貸金市場と呼んでいます。この取引は、長短双方の市場に属する取引のため、ここでは、別個に扱うことにします。
※市場
市場とは、通常、専門業者の仲介で不特定多数の者が取引を行う場のことを指しますが、売り手1人に買い手1人の相対取引(あいたいとりひき)の場も、広い意味で市場と呼んでいます。また、証券取引所のような特定の場所で行われない取引、銀行の店頭で行う預金取引、電話回線を通して行われる取引にも市場という用語を使っています。
≪短期金融市場≫
短期金融市場とは、期間1年未満の金融取引が行われる市場で、マネーマーケットとも呼んでいます。 短期金融市場は、金融機関や一般の事業法人が資金を調達する場です。また、日本銀行が公開市場操作などを行って金融を調節する場にもなっています。
短期金融市場は、取引参加者が金融機関に限定されるインターバンク市場と、一般の事業法人が自由に参加できるオープン市場に分けられます。
◆インターバンク市場
インターバンク市場は、金融機関が相互の資金の運用と調達を行う場です。取引参加者は金融機関に限定されています。
インターバンク市場には、コール市場、手形売買市場、東京ドル・コール市場があります。市場では、資金の出し手、取り手の間を短資会社が仲介しています。
◆オープン市場
オープン市場は、法人であれば誰でも参加できる市場です。金融機関のほか、証券会社、事業法人、外国企業、公的機関が取引に参加しています。
オープン市場は、CD、債券現先、債券レポ、CP、FB、TB、円建BAなどの取引市場から成り立っています。
※取引残高…日本銀行「金融経済統計月報」参照
≪長期金融市場≫
長期金融市場は、取引期間1年以上の長期にわたる金融取引が行われる場で、資本市場(キャピタルマーケット)ともいいます。長期金融市場の代表的な市場に、証券市場があります。
◆証券市場
証券市場では、有価証券の売買を行うことで資金を取引しています。企業は、証券市場で株式や債券を発行することによって資金を調達します。証券市場は、株式市場と公社債市場に大別されます。
株式市場
株式市場は、企業が発行する株式を取引する市場です。証券取引所がその代表で、投資家から委託を受けた証券会社が株式の売買を行う場所です。
公社債市場
公社債市場は、国債や社債などの債券を取引する市場です。公社債は、公共債(国や地方公共団体の発行する債券)と社債(企業が発行する債券)の総称です。
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