決済システム(けっさいしすてむ)
settlement system(セトルメント・システム)
決済システム
全銀システム…民間銀行間の内国為替の決済システム
手形交換制度…小切手・手形を手形交換所で集中決済するシステム
外国為替円決済制度…銀行間の外国為替取引から生じる円資金決済を集中的に行う制度
決済システムとは、決済の仕組み(コンピューター・システムや、契約に関する取り決めなど)のことです。このうち、お金の決済の仕組みのことを、資金決済システムといいます。資金決済システムには、日銀ネット、内国為替制度(全銀システム)、外国為替円決済制度(外国為替円決済システム)、手形交換制度があります。
個人や企業から銀行に持ち込まれた取引は、いったん、民間銀行間に取引が集中され、お互いの受払い金額を相殺します。そして、その差額は、日銀にある各民間銀行の口座振替で最終決済されます。
民間銀行による取引集中は、全銀システムと手形交換制度で行われています。
全銀システムは、民間銀行の内国為替の決済システムです。手形交換制度は、小切手や手形を手形交換所で集中決済するシステムです。
民間銀行の預金の過不足は、日本銀行にある民間銀行の当座預金の振替で決済されます。この決済システムを日銀ネットと呼んでいます。
≪全銀システム(全国銀行データ通信システム)≫
全銀システムは、銀行相互間の内国為替業務を、通信回線を利用してオンライン処理するシステムです。すべての民間金融機関が加盟する国内最大のオンラインインターバンクシステムで、日本の決済システムの中核的な存在といえます。
全銀システムは、1968(昭和43)年に全国地方銀行で通信システムとして発足しました。その後、1973(昭和48)年4月に全銀システムに改められ、現在では、全国銀行・信用金庫・信用組合・シティバンク・農協などの金融機関に接続されています。
※2003(平成15)年6月時点で、1712の金融機関が参加しています。
全銀システムでは、東京銀行協会が運営主体となって、全国の金融機関相互の振込・送金・代金取立に関する決済額の計算や通知処理を行います。また、各金融機関別に集計された受払いの差額を、オンラインで日本銀行に送信しています。
≪手形交換制度≫
手形交換制度は、ある地域内の多数の金融機関が、手形や小切手を手形交換所に毎日持ち寄って集中的に交換決済する制度です。
企業間の取引に使われた手形や小切手は、取引銀行に持ち込まれます。自行払いの手形や小切手は同一銀行内で決済しますが、他行払いの手形や小切手は手形交換制度を使って決済します。
◆手形交換所
手形交換所は、各地の銀行協会で運営されています。銀行協会は、手形交換所や全銀システムの運営、金融や経済の調査・研究などを行うために、全国に設けられています。
2003(平成15)年6月時点で、全国に162の法務大臣指定の手形交換所があります。
手形交換所では、顧客間の債権債務を銀行間の債権債務に置き換えた上で相殺し、ネットの差額を決済します。この差額を交換尻といいます。交換尻は、日銀においてある民間銀行の当座預金口座を使って決済されます。
◆取引停止処分制度
手形交換所には、取引停止処分制度という制度があります。これは、半年間に2回の不渡届が提出されると、当座取引及び貸出取引が2年間禁止されるという制度です。銀行と取引ができなくなるわけですから、企業にとっては、事実上の倒産を意味します。
(全国銀行協会発表)
≪外国為替円決済制度≫
外国為替円決済制度は、銀行間の外国為替取引から生じる円資金決済を集中的に行う制度で、1980(昭和55)年10月に発足しました。
外国為替円決済制度では、東京銀行協会が運営主体となって、外為売買・輸出入取引・コルレス先円勘定の振替・円建送金などにかかわる、参加銀行の支払指図書の交換を行っています。
2003(平成15)年6月時点で、参加銀行数は231行に上ります。
参加銀行は、支払指図書などを持ち寄って、受取額と支払額の差額を日本銀行の当座預金振替によって決済しています。東京銀行協会からの委託により、1989(平成1)年3月から支払指図データの授受と決済は、日銀ネットを利用してオンライン処理されています。
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