よくわかる!金融用語辞典 【銀行(3)銀行の種類(民間金融機関)】

銀行(3)銀行の種類(民間金融機関)

民間金融機関(みんかんきんゆうきかん)
private financial institution(プライヴィット・フィナンシャル・インスティテューション)

銀行(3)銀行の種類(民間金融機関)

都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信託銀行、長期信用銀行、信用金庫、信用組合、短資会社、証券会社、保険会社、ノンバンク、インターネット銀行など

 

民間金融機関には、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信託銀行、長期信用銀行、信用金庫、信用組合、短資会社、証券会社、保険会社、ノンバンク、インターネット銀行などがあります。

 

≪都市銀行≫

 

都市銀行とは、東京や大阪などの大都市に本店を置いていて、全国規模の業務展開をしている普通銀行です。短期融資を中心に行う銀行で、預金者からお金を預かり、それを企業などに貸付けることで利益を出しています。全金融機関の資金量の4分の1を、都市銀行が占めています。

 

◆合併・統合への動き

 

2001年4月に誕生した4つのメガバンク(みずほホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、三菱東京フィナンシャル・グループ、UFJホールディングス)に、りそなホールディングスが加わり、日本の都市銀行は5大グループ(7行)となりました。
※2001年12月に設立した大和銀ホールディングスは、2002年10月に名称変更して、りそなホールディングスとなりました。

 

銀行(3)銀行の種類(民間金融機関)

 

都市銀行は合併・統合が進んでおり、将来3、4行に統合されるかもしれません。

 

≪地方銀行≫

 

地方銀行とは、各都道府県に本店を置いていて、各地方を中心に営業を展開している普通銀行です。小口取引が主体で、取引対象を地元の中小企業や個人においています。資金量は全金融機関の1割程度です。
全国銀行協会に正会員として加盟している地方銀行は、2004年7月末時点で64行です。

 

≪第二地方銀行≫

 

第二地方銀行とは、1989(平成元)年以降に、相互銀行が普通銀行へ転換してできた地方銀行です。
全国銀行協会に正会員として加盟している第二地方銀行は、2004年7月末時点で49行です。

 

≪信託銀行≫

 

信託銀行とは、資産管理を代行し、信託業務を行う銀行です。お金、株、土地などの資産を預かり、本人にかわって資産を動かし、その管理・運用により利益を出しています。長期にわたって資金を調達・運用する長期金融機関としての性格を持っています。
全国銀行協会に正会員として加盟している信託銀行は、2004年7月末時点で8行です。

 

銀行(3)銀行の種類(民間金融機関)

 

≪長期信用銀行≫

 

長期信用銀行とは、大企業向けの長期融資を主な業務とする銀行です。長期資金の調達に「金融債」という債券を発行して、資金を集めています。

 

長期信用銀行は、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、日本興業銀行の3行がありました。しかし、日本長期信用銀行と日本債券信用銀行は、バブル時代に不動産関係の融資に手を出して、バブル崩壊後に不良債権化し、2行とも経営破綻してしまいました。現在は、新生銀行(旧 日本長期信用銀行)と、あおぞら銀行(旧 日本債券信用銀行)に行名を変更しています。

 

2002年4月1日に、日本興業銀行は第一勧業銀行・富士銀行とともに、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行に再編されました。

 

2004年4月1日に、新生銀行が普通銀行に転換したため、長期信用銀行はあおぞら銀行のみとなりました。

 

2006年4月1日に、あおぞら銀行が普通銀行に転換しました。

 

≪信用金庫≫

 

信用金庫は、中小企業や地域住民のための非営利の金融機関です。営業地域で集めた資金は、その地域に還元されます。2004年2月9日時点で、信用金庫は全国に307あります。

 

1951(昭和26)年に信用金庫法が制定され、以前から存在していた信用組合のうち、金融機関に近いものが信用金庫に転換しました。

 

信用金庫では、預金・貸付・手形割引・内国為替・外国為替などの業務を行っています。融資は原則として会員を対象としていますが、預金は会員以外からも受入れています。会員になれるのは、信用金庫の営業地域の在住者、在勤者、事業所所有者です。ただし、事業者で、従業員数が300人を超える場合または資本金が9億円を超える場合は会員になれません。

 

≪信用組合≫

 

信用組合は、組合員の出資による協同組織の法人で、組合員の相互扶助を目的とする非営利の金融機関です。2004年1月16日時点で、信用組合は全国に185あります。

 

信用組合は、1900(明治33)年の産業組合法によって制定されました。1949(昭和24)年には中小企業等協同組合法が制定され、これに基づいて現在の信用組合に進展しています。

 

信用組合では、預金・貸付・手形割引・内国為替・外国為替などの業務を行っています。組合員が預金した資金を組合員が必要なときに利用するシステムで、預金の受入れと貸付けが組合員に限られているところに特徴があります。組合員になれるのは、信用組合の営業地域の在住者、在勤者、事業所所有者です。ただし、事業者で、従業員数が300人を超える場合または資本金が3億円を超える場合は、原則として組合員になれません。

 

≪短資会社≫

 

短資会社とは、短期金融市場において金融機関相互の貸借取引の仲介を行う会社です。コール、手形、国債、コマーシャルペーパー、譲渡性預金などの媒介を業務としています。

 

短資会社には、上田短資、八木短資、東京短資、山根短資、日本短資、名古屋短資の6社がありましたが、合併により現在は上田八木短資、東京短資、セントラル短資の3社となっています。

 

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≪証券会社≫

 

証券会社は、企業の株式や債券発行による資金調達に際し、株式市場の仲介役を行う金融機関です。全国には、226社の国内証券会社と40社の外国証券会社があります。また、銀行のように他業種から証券業に参入する金融機関が217あります(2004年2月1日時点)。

 

証券会社には、委託売買業務、自己売買業務、引受業務、募集/売出し業務という、4つの業務があります。

 

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≪生命保険会社・損害保険会社≫

 

保険は、大きく生命保険と損害保険の2つに分けられます。生命保険は、人の生死(死亡・病気・ケガ)を対象に、一定金額を保証する業務です。損害保険は、交通事故や火災など不測の事故により生じる損害を保証する業務です。

 

保険会社は、集めた保険料の一部を企業に貸付けたり、株投資などで資産を運用しています。
一般的に、生命保険会社は長期運用で資産を増やし、損害保険会社は1年未満の短期運用で資産を増やしています。

 

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≪ノンバンク≫

 

預金を受入れずに融資を行う会社をノンバンクと呼んでいます。ノンバンクは銀行ではなく、出資法や賃金業規制法に基づいて業務を行っている会社です。ノンバンクには、リース会社、クレジットカード会社、信販会社、投資顧問会社、消費者金融会社などが含まれます。

 

ノンバンクの主な業務は貸出しです。銀行から借りた資金を貸付けて収益を上げています。主に個人向けの融資を中心としています。

 

≪インターネット銀行≫

 

インターネット銀行とは、インターネット上で振込・振替・残高照会などのサービスを提供する銀行のことで、ネット銀行やオンライン銀行とも呼ばれています。また、インターネットを利用した振込・振替・残高照会などのサービスのことをインターネットバンキングと呼んでいます。

 

インターネット銀行の魅力は、銀行やATMまで行く必要がなく、24時間いつでも好きな時間に利用できる点です。店舗の諸経費や人件費が削減できるため、店舗による営業を展開する従来の銀行よりも預金金利を高く、また手数料を安く設定することができます。

 

2000(平成12)年10月にジャパンネット銀行がインターネット専業銀行として取引を開始し、その後、アイワイバンク銀行、ソニー銀行、イーバンク銀行などが取引を開始しました。現在では、都市銀行をはじめ、多くの銀行がインターネットバンキングに対応しています。

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