日銀特融(にちぎんとくゆう)
日銀特融
日本銀行が、信用秩序の維持を目的として、金融機関に対して行う特別融資
考査やオフサイド・モニタリングにより、金融機関の経営実態などを把握する
日銀特融とは、日本銀行が内閣総理大臣および財務大臣の要請を受けて、信用秩序の維持を目的として、日銀法に基づいて行う特別融資です。証券会社としては、1965(昭和40)年5月に山一証券に対して初めて実施されました。
日銀特融は、金融機関が破たんした場合に、営業譲渡されるまでのつなぎ資金などに融資されます。融資は無担保で行われますが、金利は公定歩合より高く設定されています。
金融機関が破たんすると、システミック・リスクが懸念されます。システミック・リスクとは、決済関係を通じて他の金融機関にもその影響が及び連鎖的に決済不能となるなど、金融システム全体の機能が失われてしまう危険性のことをいいます。これを回避するために、3ヶ月以内の返済をめどに、必要最小限の融資を行います。
日銀特融は、融資資金を返済できる可能性が高く、日本銀行以外に資金調達方法がないなど、いくつかの条件に適合した金融機関に対して、機動的に行われます。そのため、このような日本銀行の機能のことを「最後の貸手」機能と呼んでいます。
≪考査とオフサイト・モニタリング≫
日本銀行では、信用秩序の維持を目的として、日本銀行に当座預金をおいている金融機関を対象に、日銀法に基づいて、考査やオフサイト・モニタリングなどの業務を行っています。
◆考査
考査とは、金融機関に立ち入り調査を行うことで、経営実態や管理体制を把握するものです。
考査は必要に応じて行います。考査の結果は公表しませんが、金融機関に対して、業務改善に関する指導や要請を行っています。
◆オフサイト・モニタリング
オフサイト・モニタリングとは、金融機関に立ち入らずに、金融機関から提出された資料の分析や役職員に対するヒアリング調査などを行うことで、経営実態や管理体制を把握するものです。
オフサイト・モニタリングは日常的に行います。
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