景気動向指数(けいきどうこうしすう)
Indexes of Business Conditions(インデックシィズ・オブ・ビジネス・コンディションズ)
CI(composite indexes)(コンポジット・インデックシィズ)
DI(diffusion indexes)(ディフュージョン・インデックシィズ)
景気動向指数
景気動向指数とは、総合的な景気局面の判断・予測を行うために、複数の指標を組み合わせて算出した指数のことです。
内閣府経済社会総合研究所が速報値と改定値を作成し、毎月公表しています。
【景気動向指数を算出するための基礎指標】
景気動向指数(CIおよびDI)は、30項目の基礎指標を使って算出しています。
基礎指標とは、景気全体の動きを捉えるために、毎日の暮らしのようす(どれだけモノが生産されたか、失業者はどれくらいいるのか、株価は上がったのか下がったのか、中小企業の売り上げはどうか…など)を統計にとったデータのことです。
これらの指標は、景気の動きに対して「いつ」反応をしめすかで、先行系列、一致系列、遅行系列の3つにわけられます。
先行系列とは、景気の動きに先行して反応をしめす指標のことです。先行系列の指標として、消費者態度指数や東証株価指数など、11項目の指標を利用しています。先行系列の指標から算出された指数のことを先行指数(leading index:リーディング・インデックス)といいます。先行指数は、数ヶ月先の景気の動きを示します。
一致系列とは、景気の動きにあわせて反応をしめす指標のことです。一致系列の指標として、生産指数や有効求人倍率など、10項目の指標を利用しています。一致系列の指標から算出された指数のことを一致指数(coincident index:コインシデント・インデックス)といいます。一致指数は、景気の現状を示します。
遅行系列とは、景気の動きに遅れて反応をしめす指標のことです。遅行系列の指標として、家計消費支出や完全失業率など、9項目の指標を利用しています。遅行系列の指標から算出された指数のことを遅行指数(lagging index:ラギング・インデックス)といいます。遅行指数は、半年から1年遅れで反応します。
※30項目はCI、DI共通。第16循環の景気の山の暫定設定時に選定。
【CIとDI】
景気動向指数(CIとDI)は、それぞれ30項目の指標を組み合わせて算出した指数です。
内閣府では、2008(平成20)年3月分までDIを中心に公表してきましたが、同年4月分(速報)からはCIを中心に公表しています。
CIには「景気変動を量的に捉える」、DIには「景気変動の方向性を捉える」、という異なる特徴があるため、両者をあわせて利用すると、景気の動向をより正確に把握することができます。
CI(composite index:コンポジット・インデックス)
CIは、景気変動の大きさやテンポ(量感)を示す指数です。基準となる年を決めて、その基準年と比べてどれぐらい景気が変化したかを調べます。
基準となる年を100として、一致指数が100より上昇していれば景気は拡張局面に、逆に100より低下していれば景気は後退局面にあることがわかります。一致指数の変化の大きさは、景気の拡張や後退の大きさをあらわします。
CIは、景気変動を「量的」に把握する
DI(diffusion indexes:ディフュージョン・インデックス)
DIは、景気動向の方向性を示す指数です。各指標の数値が上昇しているのか、低下しているのかを調べます。
採用された指標を3ヶ月前の数値と比較して、改善(プラス)、変化なし(横ばい状態)、悪化(マイナス)に分類します。改善(プラス)を1、変化なし(横ばい状態)を0.5としてそれぞれ合計して採用指標数で割ると、指数を計算できます。
一致指数が50%以上なら景気が上向き、50%以下なら景気が下向きと判断されます。
【景気基準日付の判定】
DIは、景気の転換点となる景気基準日付(景気の山・谷)の判定に用いられています。しかし、景気の判断を変更するには、上向きあるいは下向きの状態が数ヶ月続く必要があります。
DIは、景気変動の「方向性」を把握する
数値の改訂
景気動向指数は、「消費者態度指数の改訂」、「実質法人企業設備投資作成に用いる民間企業設備デフレーターの変更」、「独自に季節調整を行っている系列に適用する季節調整方法の変更」に伴い、過去にさかのぼって改訂されています。
改訂後の数値は、下記の参考ファイルの「改訂値」をご覧ください。
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